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マイクロソフトのコンテナー カタログの配信 (mcr.microsoft.com)

執筆者: Steve Lasker (Program Manager, Azure Developer Experiences)

このポストは、2018 年 5 月 7 日に投稿された Microsoft syndicates container catalog (mcr.microsoft.com) の翻訳です。

 

コンテナーが最新のソフトウェア パッケージ化形式になり、ソフトウェアのコンテナー イメージを Docker Hub などから取得できるようになりました。これにより、信頼できる一貫したソースからの迅速な取得エクスペリエンスを提供することが、ソフトウェア ベンダーに求められています。マイクロソフトでは、単一のダウンロード ソースのあらゆるコンテナー イメージを複数のチャネルから検索可能な、シンジケーション モデルへの移行を開始しています。マイクロソフトと Red Hat の共同開発として始まったコンテナーのシンジケーション モデルは、今後、コンテナー コンテンツ コミュニティのオープン スタンダード共同開発の一部となります。これにより、お客様は、使い慣れたチャネルからイメージを検索できるようになり、ベンダーは、信頼できる単一ソースで最新のイメージを管理できるようになります。2018 年 5 月より、マイクロソフトは Microsoft Container Registry (MCR、mcr.microsoft.com) からのコンテナー イメージの提供と、Docker Hub および Red Hat でのコンテナー イメージに関連したコンテンツの配信を開始いたします。

Docker Hub は今後も、Docker Enterprise Edition 用の Docker 認定イメージを提供する公式ソースとして継続します。Docker ユーザーは、Docker Hub から、SQL Server などの公式 Docker 認定マイクロソフト製イメージを入手することができます。Red Hat のお客様は、Red Hat Container Catalog で、今後リリース予定の SQL Server Red Hat Enterprise Linux イメージをはじめとする Red Hat 認定マイクロソフト製ソフトウェアを入手することができます。Azure のお客様は、Azure Marketplace から、マイクロソフト製イメージや Azure 専用コンテンツを入手することができます。

カタログ コンテンツのシンジケーション モデルは、小売シナリオでよく利用されるしくみです。たとえば、Microsoft Xbox は、Microsoft ストアだけで販売されているわけではなく、マイクロソフトと提携している多くの小売店で Xbox や Microsoft Studios のゲームを購入することができます。また、Microsoft Studios ユーザーは、購入チャネルに関係なく、マイクロソフトのサーバーのサービスを利用することができます。

各コンテナー カタログでは、配信されたカタログに合わせた形式のコンテンツを提供します。これにより、どのチャネルからマイクロソフト製イメージを取得しても、取得元は常に mcr.microsoft.com となります。

Microsoft Container Registry の閲覧

Microsoft Container Registry は、Docker Hub、Red Hat Container Catalog、Azure Marketplace などの既存カタログへコンテンツを提供することを目的としているため、それ自体にはカタログ エクスペリエンスがありません。マイクロソフトは、専門性の高い既存カタログへの配信を通じてお客様とつながることが良いと考えます。

Microsoft Container Registry のメリット

マイクロソフトはソフトウェア ベンダーとして、オンプレミス システムや他社のクラウドでもマイクロソフトのソフトウェアを使用していただけるように取り組んでいます。お客様に安心してご利用いただくために、Azure のグローバルなサービス地域と Azure CDN を利用してイメージ取得エクスペリエンスを一元化し、継続的に改善していきます。これにより、Azure でワークロードを実行しているお客様は、ネットワーク内のパフォーマンスが向上するほか、Microsoft Container Registry (マイクロソフト製コンテナー イメージのソース)、Azure Container Registry (プライベート レジストリを作成、管理するための Azure サービス)、Azure Marketplace、デプロイメント パッケージ形式のコンテナーを提供する Azure サービス (拡大中) を緊密に統合できるようになります。

最初のステップとして今週、ACR Build (プレビュー、英語) を発表しました。これは、OS とフレームワークの修正プログラム適用 (英語) を行うコンテナー作成機能です。ACR と MCR の統合により、マイクロソフト製イメージを使用したデプロイの際に、最高の Azure エクスペリエンスを確実に提供できるようになります。ACR Build は Docker Hub や他の一般的なレジストリとの統合もサポートしているため、お客様はあらゆるソフトウェアを統合することができます。

小規模で開始

2018 年 5 月より、一部のイメージを、microsoft/* から mcr.microsoft.com/* へと移行します。Microsoft Container Registry の内容を反映して、Docker Hub の特定のイメージが更新されます。今後数か月間でシンジケーションの自動化を実施し、microsoft/* のすべてのイメージを MCR に移行する予定です。マイクロソフトは今後も Docker と協力し、お客様が求める Docker Hub の一貫したエクスペリエンス提供に努めてまいります。

移行後の動作保証

マイクロソフトと Docker は、既存と新規のすべてのお客様をサポートすることをお約束します。現在サポート対象の Docker Hub のイメージ タグは、引き続き動作します。docker pull microsoft/* としてイメージをデプロイした場合でも、Dockerfile の FROM ステートメントでイメージを参照した場合でも、Docker Hub から取得したタグであれば、問題なく動作します。最新のタグについても同様です。各 Docker Hub リポジトリと同様に、OS とフレームワークの修正プログラム適用に関しても、マイクロソフトが安定したタグを提供します。

イメージが MCR に移行されると、新しい取得元が反映されて Docker Hub のランディング ページが更新されます。Docker pull/FROM ステートメントを変更し、新しいタグを反映したい場合には、文字列の左の部分を更新し、microsoft/ を mcr.microsoft.com/ に変更します。

すべての新しいタグを MCR で利用可能

一貫して公正な移行を実施するため、Docker Hub のサポート対象タグはすべて mcr.microsoft.com で利用することができます。リポジトリが MCR に移行されたら、各リポジトリのすべてのサポート対象タグの参照を MCR に切り替えられるようになります。

イメージを整理する

移行のタイミングは、環境を整理する良い機会です。マイクロソフトは、コミュニティから、イメージ名、タグ、ドキュメントを整理する方法を学びました。イメージが MCR に移行されると、共通の見出しを含む一貫した readme ファイル (概要、使用方法、タグ リスト、関連 Dockerfile など) が表示されます。MCR カタログとコンテンツ移行の自動化により、イメージ名の横の概要見出しと、一貫した脆弱性スキャン レポート関連イメージが MCR で提供されるようになります。

公式の製品イメージ、サンプル、実験の分類によって、一部のイメージの場所が多少変更される可能性があります。たとえば、現在、-linux と-windows の 2 つのリポジトリで提供されている SQL Server イメージは、今後マルチアーキテクチャ マニフェスト (英語) を活用して統合されます。省略されて探しづらいイメージ名は、より一貫性のある名称に変更されます。サンプル リポジトリは /samples 名前空間、実験は /experiments 名前空間に移行されます。マイクロソフトは、マイクロソフトの公式イメージに対するお客様のニーズを明確にすると共に、コミュニティが求めるサンプルや実験の柔軟性を提供できるように今後も取り組んでいきます。

MCR 移行の詳細については、各製品チームの今後の更新情報をお待ちください。

Docker の功績

Docker は、コンテナー化という最新の開発手法によって業界の常識を覆しました。小規模な仮想ソフトウェアの構築、保存、取得、実行が容易になったことで、ソフトウェア開発そのものが大きく変革しました。マイクロソフトは、今後も Docker との緊密なパートナーシップを重視し、共にお客様が求める Docker Hub エクスペリエンスを提供してまいります。