• Microsoft Office の 25 周年とこれから

    Microsoft Office は今年の 8 月に 25 周年を迎えました。Office for Windows 1.0 は 1990 年の登場だから、まだ 24 周年では?と思われるかもしれませんが、実は Office は Macintosh 版で最初に登場しており、Windows 版よりも 1 年早い 1989 年に米国で発売されています。Microsoft Office というと Windows のイメージが強いかもしれませんが、実は誕生当初から Windows 版以外の環境もサポートしていくという考え方があったのです。

    以下の図では Office 95 以降のバージョンについて、主な特長を記載しています。クリックすると大きく表示されますので、クリックしてご覧ください。

    Microsoft Office 95 は、Word、Excel、PowerPoint、Access といった中に含まれる個別製品のメジャーバージョンの数が揃った最初の製品になりました。(通称は "95"、バージョンは 7.0) それ以降、Windows 版ではだいたい 2~3 年周期でメジャーバージョンアップをして、Macintosh 版では Office 98 以降、2~4 年周期でメジャーバージョンアップしてきました。

    そして、特にこの 10 年間、Office 2003 が市場に出た後に、モバイルデバイスやモバイル ネットワークの環境が大きく変わってきたことにより、Office も従来の「PC で使う文房具」の外側での進化が必要となりました。そこで 2008 年に一般向けのサービスとして登場したのが Office 365 の前身である「BPOS」と呼ばれるサービスで、メールやファイル共有、オンライン会議など Office と組み合わせて使うことで Office の能力がより発揮できる仕組みの原型が出来ました。                                                    

    2012 年には Office クライアントも取り込んでさらに進化し、「Office 365」が登場します。これにより、常に最新の Office クライアントをクラウドサービスの一部として利用することができるようになり、加えて 1 ライセンスで複数デバイスにインストールできたり、Windows だけでなく Macintosh や Office for iPad や Office for Android などモバイルデバイスにも最適化されたアプリを利用することが可能になりました。

     

    Office 365 のこの 1 年の目まぐるしい進化~2014 年

    2014 年を振り返ってみると、この「Office 365」が大きく進化を遂げ完成形に近づき、従来の形態の Office にとって替わり始めた 1 年でした。2 月にはブラウザー版の Office とオンラインストレージがそれぞれ Office OnlineOneDrive/OneDrive for Business という新しい名前になりました。Power BI for Office 365 の提供開始により、Excel を使った高度なデータ分析/ビジュアライゼーションを Office 365 で誰でも行える仕組みが整いました。そして 4 月には Office 2003/Windows XP のサポート終了に伴い多くのお客様が Office 365 に移行頂きました。

    7 月には、Office 365 にも含まれる OneNote とスタイラスペンで統合された Windows タブレットデバイス Surface Pro 3 が登場し、Windows のモバイル環境での利便性向上に一石を投じました。8 月には Office 365 API が登場し、REST など最新手法を使った開発プラットフォームとしても使いやすく進化しました。

    10 月には中小規模の法人のお客様の Office 365 プランが整理され簡単になりました。そして、他国で先行していた一般消費者のお客様向け Office 365 が日本でもついに登場し、単体で購入できる Office 365 Solo と PC にプレインストールされている Office Premium といった日本のお客様向け独自仕様の「世界一お得な」Office が発売されました。 また、Office 365 ユーザーは OneDrive/OneDrive for Business の容量が無制限になることが発表され、Office 365 はクラウドストレージとしてもさらに魅力をアップしました。

    11 月には日本でも Office for iPad の配信が開始され、Office 365 ユーザーは仕事で利用することができるようになりました。そして 12 月には法人向け Office 365 の日本データセンターもオープンし、規制業種のお客様にも門戸が開かれました。

     

    2015 年にもご期待ください!

    Office 365 はすでに日経 225 銘柄企業の 70% で利用されるなど、急速にユーザー数が広がっています。Office 365 をご利用いただくことで、お客様はモバイル環境が進化した最新の企業/社会インフラをフルに活用して情報共有とコミュニケーションを効率的に行うことができるようになります。その結果、しいては日本全体の生産性向上と発展にも寄与することができると確信しています。2015 年も Office for MacOffice for Android の次世代バージョンの登場をはじめとして皆様の期待を裏切らないサービス強化が予定されています。世界中で利用されている Office 365 の 2015 年の進化にもぜひご期待ください。

  • Office 365 関連ニュース 2014 年 12 月のまとめ

    Office 365 に関する 2014 年 12 月の主なニュースをまとめてみました。あなたが見逃しているかもしれないニュースも一覧でご覧になることができますので、この機会にぜひご覧ください。

    一般消費者向け

    法人・団体向け

    過去のニュースはこちら。

  • 2014 年下半期の振り返り: 仕事の生産性に関係する主なニュース

    先日の記事『「テレワーク推奨強化週間 2014」活動のご報告 ~参加者の意識調査のご紹介と、今後のテレワーク推進への意気込み~』でもご紹介させていただきましたが、日本マイクロソフトと 32 法人によって行われたテレワーク推奨強化週間 2014で、参加した約 3,000 名の意識調査で、現在の仕事、およびこれからの日本においてテレワークという働き方が必要と感じる人が約 8 割、仕事の効率向上、働きやすさ、時間の有効活用を実感てきたという人が7 割以上と、テレワークに対する期待がますます高まっていることを感じた 2014 年下半期でした。

    さて、この記事では、この半年で取り上げられた主な関連ニュースを取り上げます。様々な視点からこの半年の話題と施策の進捗について振り返ってみましょう。

    過去の同様のテーマのまとめ記事「2014 年上半期の振り返り: 仕事の生産性に関係する主なニュース」もご覧ください。

  • よく似た Office 365 の機能の使い分けの運用 - マイクロソフトの場合 (3)

    特集記事

    前の 2 回で、Office 365 が持っている同じ用途 (たとえばファイル共有、予定共有をしたい) を実現する機能について、どの機能をどのような考え方で使い分ければいいのか、また、どのような用途にどのように展開をするのが良いのかという解説のうち、下記の 3 つについて取り上げてきました。

    • 予定共有や施設予約を行いたいのだが、予定表は Exchange と SharePoint の両方が持っている。どちらを使えばいいのか。
    • SharePoint はオンラインとオンプレミスの選択肢があるが、社内でどのように活用していけばいいのか。
    • ファイルの保管場所はどこを使えばいいのか

    最終回のこの記事では、Office 365 が持っているソーシャル機能を中心に使い分けを解説していきたいと思います。

    • ソーシャル機能は SharePoint と Yammer のどちらを使えばいいのか。

     

    組織におけるコミュニケーションと共同作業についての分類

    本題に入る前に、組織内でのコミュニケーションについて「共有範囲」と「緊急性」の 2 つの軸で分類してみたいと思います。 コミュニケーションの共有範囲については第一回でも取り上げましたが、全社、拠点、チーム、個人での共有により利用すべきツールが異なってきます。また、緊急性の面で見ると、緊急度が高い内容はリアルタイム性が求められます。メールはビジネスの世界では帰ってくるまでの期待値が 4 時間というデータもありますので、緊急を要するコミュニケーションには適していません。

    Office 365 ではこの 2 つの軸の組み合わせにより、いくつかの異なるツールが用意されています。一見同じような用途に見えても違う機能として提供されているものがあるのはこのような理由もあります。ちなみに、「共有範囲」と「緊急性」は相反する関係にあり、「共有範囲が広く」「緊急性が高い」コミュニケーションや、「共有範囲が狭く」「緊急性が低い」コミュニケーションをカバーするツールはないことに注意してください。

    そして、これらのツールは以下の図のように、中心にある Lync のプレゼンス情報を見ながら適切なツールを使い分けていくことが想定されています。マイクロソフトでも、普段は PC に常駐している Lync クライアントに表示されている主な連絡先ユーザーのプレゼンス情報を見て、メールを送るか電話をするか、テキストメッセージを送るかを判断しています。 これにより、相手の状態にあった適切なコミュニケーション手法を選択することができ、迅速なコミュニケーションを行うことができるようになります。

    コミュニティサイト、Newsfeed、Yammer はどれを使うべきか

    それでは、コミュニケーション ツールについての全体像や利用方法がなんとなくわかったところで、本題に戻りましょう。「つながり中心」でネットワーク上で対話をするツールであるエンタープライズ ソーシャル/コミュニティですが、Office 365 では、SharePoint コミュニティ サイト、SharePoint Newsfeed、Yammer の 3 種類が存在します。これらは同じようなポジショニングの機能ですが、どれを使えばいいのか疑問に思うかもしれません。

    この場合は迷わず「Yammer」を選択するようにしてください。SharePoint コミュニティ サイトSharePoint Newsfeed が初期の SharePoint 2013 に実装された後、Yammer が買収されて Office 365 に統合され、今後は Yammer の機能を強化していくことが宣言されていますので、Yammer を利用することを強くお勧めしています。現在はまだ一部の機能で Newsfeed のほうが Office 365 との相性がいい場合もありますが、それも間もなく解消されていく予定です。コミュニティ サイトについても、「組織内外のユーザー数がそれなりにいる場合の合同プロジェクトなどで 1 サイトのみを使い情報共有する場合」くらいのかなり限定された状況を除いては Yammer を利用することをお勧めします。Yammer にはグループを区切ってそこに参加するメンバーにのみ情報共有を制限するような機能もあります。また、外部ユーザーを参加させる機能もあります。

    コミュニティ サイト

    コミュニティ メンバーが共通の関心のあるトピックについて意見を交換する場所です。メンバーは、カテゴリを検索したり、ディスカッションを人気の高い順で並び替えたり、ベスト リプライの投稿のみを表示したりして、内容を閲覧し、関連性の高いコンテンツを見つけることができます。メンバーは、コミュニティに参加することで評価ポイントを獲得します。コミュニティには、ディスカッションを始める、ディスカッションに返信する、投稿を「いいね!」と評価する、ベスト リプライを指定するなどして参加します。

    Newsfeed

    SharePoint Newsfeed を使うと、外出中でも組織内でのソーシャル ネットワークにつながることができます。フォローしている SharePoint サイト、ドキュメント、人の更新情報を簡単にキャッチしたり、自分のフィードへ簡単に移動し、スレッドでの情報交換を行なうことができます。ブラウザーからのアクセスのほかに、モバイルアプリも提供されているため、移動中、外出中もソーシャル ネットワークにつながることができます。

     

    サイトメールボックス、Yammer、グループの違いは?

    次は少し複雑な課題です。2013 世代になってサイトメールボックス、Yammer、そしてこの年末にかけて新たに Office 365 グループの機能が新たに実装されますが、どれも特定のグループのメンバーで情報、ファイルをやり取りするための仕組みなので、どのような時にどれを使うべきか迷います。どれも比較的新しい仕組みなのですが、それぞれ微妙に癖があります。以下に主な比較項目についてまとめてみました。

    比較項目 サイトメールボックス グループ Yammer
    基本機能とアクセス権
    基軸となる機能、製品 SharePoint サイト Outlook Web App (Exchange Online) Yammer
    利用機能 SharePoint サイトおよび Exchange 共有メールボックス Exchange グループ会話スレッド、グループ予定表、および OneDrive for Business (ファイル、ノートブック) Yammer スレッド、ファイル、ノート、テキストメッセージ、投票、イベント、リンク
    必要ライセンス SharePoint Online および Exchange Online Exchange Online および OneDrive for Business Yammer
    外部ユーザーのアクセス SharePoint 部分のみ可能 不可 可能 (外部ネットワーク上)
    接続クライアント ブラウザー (SharePoint およびOutlook Web App)、Outlook (共有メールボックス部分) ブラウザー (Outlook Web App および OneDrive for Business) および OWA アプリ ブラウザーおよび Yammer アプリ
    管理機能
    管理形態 SharePoint サイト管理者による管理 エンドユーザー (Exchange 管理者によるエンドユーザー管理の禁止も可能) エンドユーザー (Yammer 管理者によるエンドユーザー管理の禁止も可能)
    任意のユーザーを管理者に指定 SharePoint サイト管理者による管理 可能 可能
    任意ユーザーに公開 好みのサイトメールボックスを探す機能はない (URL を教えればアクセスさせることはできる) 可能 可能
    プライベートに設定 可能 可能 (初期設定で一度設定すると公開に変更できない) 可能
    コンテンツ
    外部からの投稿 メールアドレス宛にメール送信 メールアドレス宛にメール送信 メールアドレス宛にメール送信
    会話スレッドの削除 可能 不可能 隠すことが可能
    ファイル毎のサイズ制限 2GB 2GB 5GB (プレミアム プラン)
    組織全体のストレージ サイズ制限 SharePoint サイトのストレージ サイズに依存 なし (OneDrive for Business 無制限時) なし
    その他
    「いいね」機能 なし なし あり

    一概に言うことは難しいのですが、SharePoint サイトメールボックスは限られたメンバーだけで行うプロジェクトで他のメンバーは知る必要がないような場合に立ち上げるとよいでしょう。SharePoint サイトのフル機能を使えるので、プロジェクト管理をはじめとする複雑な処理をする場合にお勧めです。グループは、ファイルの保存先が OneDrive for Business で容量が実質無制限ですので、大容量ファイルのグループ内での共有には向いています。また、一度作成したスレッドを消すことができないので、ログを取るのに向いています。その他の一般的な用途は Yammer を使うのが今のところよいと思われます。マイクロソフト社内でも一番使われているのは Yammer です。ただし、ファイルやノートについては、Yammer 以外の場所からの検索、参照性があまりよくなかったり、データセンターがアメリカにあり Office 365 の標準的な実装にまだなっていないことを考えると、ファイルやノートを共有する場合は実体は OneDrive for Business や SharePoint サイト上において、Yammer スレッド上ではそれらへのリンクを張る、という使い方が実用的な使い方です。

     

    Lync と Yammer の違い

     最後に、Lync ではソーシャルはできないの?と聞かれることもたまにあります。これは、いままでの説明を読んでいただいていればもうお分かりですね?Lync は複数者間の会話スレッドを立ち上げることができるので、LINE のような感覚でコミュニケーションできるのですが、これは時間的にゆるいつながりというよりは即時性、リアルタイム性を求めているため、コミュニケーションが始まったら指定されたメンバーはコミュニケーションが終わるまでは時間拘束されます。Yammer の場合は、誰かが好きな時間にスレッドに書き込んでおけば、それを違う時間に別のメンバーが見てコメントを付ける、といった使い方で、即時性が求められません。(また、特定のメンバーが参加してくる保証もありません) また、Yammer にもテキストメッセージやプレゼンス情報が独自に実装されていますが、今後の機能統合の可能性を考えるとこれは Lync を使っておくことをお勧めします。

      
    Yammer のテキストメッセージとプレゼンス情報

     

    いかがでしたでしょうか。いままで 3 回にわたり Office 365 に含まれるよく似た機能の使い分けについて解説してきました。似た機能であっても使い分けることで情報共有範囲、メンバー、即時性が異なったコミュニケーションをしたり、情報の種類やビジネスへのインパクトをもとに置き場所を決めたり、という要素を考慮する必要がある場合もあることを解説しました。実際のユーザーの皆様の利用環境を構築するにあたり、何か少しでもアイディアが提供出来たのなら幸いです。

     

    参照

  • Skype Translator の登場と、日本人に求められる「真」のグローバル教育

    今月中旬のブログ記事「Skype Translatorプレビュー – コミュニケーションの新たな時代の幕開けに高まる期待」で発表がありました通り、Skype Translator プレビューの募集が開始されました。音声会話の同時翻訳については、まずは英語とスペイン語の間で開始されます。テキスト同時翻訳については数か国語の間で可能になる予定です。下記のビデオをご覧いただくと、その凄さを実感できます。

     

    【ビデオ】Skype Translator preview opens the classroom to the world

     

    日本語と英語などの音声同時翻訳はまだこれからですが、テクノロジーの力をもってすればそんなに遠くない将来に、日本語と他の言葉との「壁」が取り払われる日もやってくるでしょう。

                                                                           

    これからの日本人に求められる「真」のグローバル教育とは

    それでは、言葉の「壁」が取り払われてしまえば日本人はグローバル社会の中でやっていけるのでしょうか。答えは残念ながらノーです。日本では英語ができないことへのコンプレックスが強いため「グローバル教育=英語教育の実施」ということが強調されすぎていますが、言語はグローバル社会で生きていくためのひとつの要素でしかありません。つまり、言葉の「壁」が取り払われたとしても、グローバル教育は行わなければなりません。また、逆にいうと「英語教育以外にもグローバル教育としてやるべきことが多くある」ということになります。これは、マイクロソフトなどのグローバル カンパニーで働いてみるとよくわかります。たとえば、以下のようなことを行っていく必要があります。

    • ロー・コンテクストを前提としたコミュニケーション スタイル (空気を読んでくれることを前提としない、共通のバックグラウンドがあることを前提としない)
    • 自分の意見を発言して議論を戦わせることができる (ディベート) トレーニング
    • 身振り、手振りなどのジェスチャーや表情、態度を使ったコミュニケーション
    • 漏れなくダブりない (MECE) 論理的な話の組み立てを行う、結論を先に言うスタイルのコミュニケーション (起承転結でなく)
    • 自分の国の歴史や文化の特徴をよく知り、世界の中でのこれまでの、そしてこれからのポジショニングをよく理解し、説明できること (アイデンティティの確立)

    そして、これらの要素はテクノロジーで解決されるものではなく、その人のアイデンティティ、思想、考え方、知識などいろいろなものに結び付いていることが分かります。これからのグローバル教育を考えるにあたっては、むしろこうしたテクノロジーで解決されない課題の解決方法をいかに身に着けるか、ということに重点を置いて設計することが求められるようになってくるでしょう。

     

    いずれにしても、テクノロジーによって言語の「壁」が取り払われていくことは喜ばしいことです。日本の「真」のグローバル化のための一歩を踏み出すにあたり今後に期待したいところです。