• ボリューム アクティベーション 2.0 - KMS ライセンス認証について

    こんにちは。Windows テクノロジー サポートの安達です。

    Windows Vista および Windows Server 2008 から
    新しく導入されましたボリューム アクティベーション 2.0 の
    KMS ライセンス認証方式についてご紹介したいと思います。

    なお、本日ご紹介させていただきます内容については
    Windows 7 および Windows Server 2008 R2 にも当てはまる内容となりますので
    今後導入予定の方も参考にしていただけましたら幸いです。


    コンテンツ


    ボリューム アクティベーション 2.0 (VA 2.0) について

    ボリューム アクティベーションとはボリューム ライセンス用プロダクトの
    ライセンス認証方式の事で、ボリューム アクティベーション 2.0 では
    以下 2 種類のライセンス認証方式が用意されています。

    • KMS (キー マネージメント サービス) ライセンス認証
    • MAK (マルチプル アクティベーション キー) ライセンス認証

    今回は、上記 KMS ライセンス認証がどういったライセンス認証方式なのかおよび
    誤解や勘違いされる事が多い KMS ライセンス認証用のプロダクト キーの扱い等について
    順を追って説明していきたいと思います。

    KMS ライセンス認証用のプロダクト キーの使われ方が誤解される理由としては、
    従来のボリューム アクティベーション 1.0 (VA 1.0)と
    同じ感覚でプロダクト キーが利用されているためであることが多いようです。

    そのため、まずは従来のボリューム アクティベーション 1.0 のおさらいと
    ボリューム アクティベーション 2.0 の相違点からご説明していきたいと思います。


    ボリューム アクティベーション 1.0 とボリューム アクティベーション 2.0 の相違点

    以下にボリューム アクティベーション 1.0 とボリューム アクティベーション 2.0 の
    代表的な特徴についてそれぞれ挙げてみます。

    - ボリューム アクティベーション 1.0

    • ボリューム ライセンス用メディアからの各ソフトウェアのインストール時において、
      ボリューム ライセンス用のプロダクト キーを入力する事により、
      ソフトウェアのインストール後にはライセンス認証がされた状態となり、ライセンス認証の作業が不要。
    • ソフトウェア インストール後において、プロダクト キーやライセンス認証方式の変更が不可。
    対象ソフトウェアの例
    Windows XP
    Windows Server 2003
    Microsoft Office 2003
    Microsoft Office 2007
    など

    - ボリューム アクティベーション 2.0

    • ボリューム ライセンス用メディアからのインストール時において
      プロダクト キーの入力画面が表示されない()。
    • ソフトウェアのインストール後に、別途ライセンス認証の作業が必要。
    • ソフトウェア インストール後にプロダクト キーの変更が行え、ラインセンス認証方式の変更も可能。
    • プロダクト キーごとにライセンス認証可能な回数の上限値が設けられている。
    MAK ライセンス認証または KMS ライセンス認証における KMS ホストとして構成する場合は、
    セットアップ完了後に別途プロダクト キーのインストールが必要となります。
    (KMS ホストについては後述いたします。)
    対象ソフトウェアの例
    Windows Vista
    Windows Server 2008
    Windows 7
    Windows Server 2008 R2
    など

    リテール パッケージおよびボリューム ライセンス メディアからのセットアップについて

    次に Windows Server 2003 と Windows Server 2008 を例に、
    リテール パッケージ用のインストール メディアおよび、
    ボリューム ライセンス用のメディアからのセットアップ時の
    プロダクト キーの入力画面の様子を見てみます。

    - Windows Server 2003
    リテール パッケージ用メディアによるセットアップ時
    Windows Server 2003 Retail Setup
    ボリューム ライセンス用メディアによるセットアップ時
    Windows Server 2003 Volume License Setup

    ここでの違いは表示されているメッセージからもお分かりの通り、
    リテール パッケージ用のプロダクト キーを入力するか
    ボリューム ライセンス用のプロダクト キーを入力するかという点になります。

    それぞれ適切なプロダクト キーを入力する必要がありますので、
    ボリューム ライセンス用メディアからのインストール時に
    リテール パッケージ用のプロダクト キーを入力してセットアップを続行する事や
    リテール パッケージ用メディアからのインストール時にボリューム ライセンス用の
    プロダクト キーを入力してセットアップを続行する事はできません。

    続いて Windows Server 2008 の方も見てみます。

    ボリューム ライセンス メディア利用時にプロダクト キーの入力が不要である事を確認するため、
    セットアップ開始画面からの一連の流れとして見ていきます。

    - Windows Server 2008
    リテール パッケージ用メディアによるセットアップ時
    Windows Server 2008 Setup
    Windows Server 2008 Retail Setup - Product Key
    Windows Server 2008 Retail Setup - Edition
    ボリューム ライセンス用メディアによるセットアップ時
    Windows Server 2008 Setup
    Windows Server 2008 Volume License Setup - Edition

    上記 2 点の動作をご確認いただく事でボリューム ライセンス用メディアからのインストール時には、
    リテール パッケージ用メディアからのセットアップ時にはあったプロダクト キーの入力画面が
    省略されている事をご確認いただけたかと思います。

    次はここまでの内容をふまえまして、KMS ライセンス認証とは
    どういった構成なのかについてをご説明していきます。


    KMS ライセンス認証について

    KMS ライセンス認証では、KMS ホストと KMS クライアントと呼ばれる
    2 種類の端末が存在し、構成図としては以下のような形になります。

    KMS 環境の構成図
    KMS Configuration

    KMS ライセンス認証は、上記図のようにサーバ・クライアント モデルのような構成となります。
    なお、KMS ホストはサーバ OS とは限らず、クライアント OS でも KMS ホストにする事は可能です。

    KMS ホストとして構成可能な OS は以下の通りです。

    • Windows Server 2003 SP1 以降
    • Windows Vista
    • Windows Server 2008
    • Windows 7
    • Windows Server 2008 R2

    実際のライセンス認証については、まず KMS ホストが Microsoft のライセンス認証サーバにライセンス認証を行います。
    KMS クライアントは直接 Microsoft のライセンス認証サーバからライセンス認証を行うのではなく、
    KMS ホストに対してライセンス認証を行う動作となります。

    この構成は WSUS (Windows Server Update Service) をご存知の方であれば
    KMS の構成は WSUS と同じような構成とお考えいただけると分かりやすいかもしれません。

    WSUS サーバは Microsoft Update サーバからのセキュリティ更新プログラム等を
    クライアントに対して提供するサーバであり、各クライアントは Microsoft Update サーバから
    直接セキュリティ更新プログラムをダウンロードするのではなく WSUS サーバからセキュリティ更新プログラムを
    ダウンロードしてインストール作業を行います。

    つまり、KMS と WSUS の違いは、クライアントにライセンス認証を提供するか
    セキュリティ更新プログラムを提供するかの違いとなります。

    WSUS の構成図も参考までに以下に載せておきます。
    KMS 構成図とほぼ同じである事がお分かりいただけると思います。

    WSUS 環境の構成図
    WSUS Configuration

    次に KMS 用のボリューム ライセンス キーの扱いについてご説明いたします。

    KMS 用に提供させていただいているボリューム ライセンス キーは
    KMS ホスト用のプロダクト キーとなり、各端末 1 台 1 台に
    インストールするものではありません。

    この点が KMS ライセンス認証の構成を構築するにあたって非常に重要な点となり、
    誤解が多い部分でもあります。

    MAK 用ボリューム ライセンス キーについては、従来通り同一プロダクト キーを
    各端末 1 台 1 台にインストールする形となり、別途個別にライセンス認証の作業が必要です。

    ボリューム アクティベーション 1.0 では、ボリューム ライセンス用のプロダクト キーは
    全ての端末に一律同じプロダクト キーをインストールしていたため、
    KMS 用のプロダクト キーも同じような使われ方がされている事が多数見受けられますので、
    ぜひご注意いただければと思います。

    一見、全ての端末に KMS 用のボリューム ライセンス キーをインストールして
    KMS ホストとしてライセンス認証を行ってしまってもよいのでは?と思われるかもしれません。

    しかし、ボリューム アクティベーション 2.0 の特徴のところにも記載させて頂きましたが
    ボリューム ライセンス キーにはライセンス認証可能な上限値が設けられており、
    KMS 用のボリューム ライセンス キーはこの上限値が 10 回までとなっています。

    そのため、前述の通り全ての端末にインストールしてライセンス認証を行う使い方ではなく、
    KMS ホストのみでご利用いただくような適切な使い方をしていただく必要があります。

    なお、KMS ホストについては、通常 1 台ご用意いただくだけで大多数の KMS クライアントを
    管理する事が可能ですので、冗長構成をする場合にのみ 2 台程度
    KMS ホストにしていただければ十分なものとなります。

    それでは、次に KMS クライアント用のプロダクト キーはどうすればよいかと言いますと
    実は KMS クライアント用のプロダクト キーは通常インストールする必要がありません。

    これは、先程ボリューム ライセンス用のメディアからのセットアップ時に
    プロダクト キーの入力画面が表示されない様子をご確認いただいたかと思いますが、
    セットアップ時に KMS クライアント用のプロダクト キーが自動的にインストールされているためとなります。

    KMS クライアントの "プロダクト キー" は "セットアップ キー" と呼ばれ、
    ボリューム ライセンス キーとは扱いが異なるため、ライセンス認証可能な上限値はありません。

    つまり、ボリューム ライセンス用のインストール メディアを使用してセットアップを実施した場合、
    セットアップ完了後は、KMS クライアントとして構成された状態である事を意味します。

    KMS ライセンス認証の構成を構築する手順をまとめますと、一般的には以下のような流れとなります。

    1. ボリューム ライセンス用インストール メディアを使用し、
      KMS ホストとする端末のセットアップ (OS インストール) を行います。
    2. KMS ホストに KMS 用のボリュームライセンス キーをインストールします。

      セットアップ後のプロダクト キーのインストール(変更)方法については、
      後述する KMS ホストから KMS クライアントへの変更方法 の手順をご確認ください。

    3. KMS ホストでライセンス認証を実施します。

      KMS ホストで KMS クライアントのライセンス認証を行うには
      KMS ホスト自身がライセンス認証されている必要があります。

    4. ボリューム ライセンス用インストール メディアを使用し、
      KMS クライアントとなる端末のセットアップを行います。

    上記により、KMS クライアントは KMS ホストに対しライセンス認証を行う
    KMS ライセンス認証の構成となります。

    KMS クライアントがライセンス認証されるためには、KMS ホストに対し一定数以上の
    KMS クライアントをご用意いただく必要があります。


    KMS ホストと KMS クライアントの見分け方

    OS がセットアップされた状態では、一見 KMS ホストとして構成されているのか
    KMS クライアントとして構成されているかの区別がつきません。

    ここでは、現在の環境が KMS ホストとして構成されているのか
    KMS クライアントとして構成されているかの確認方法をご紹介いたします。

    KMS ホストか KMS クライアントかを区別する方法としては、
    OS 標準で付属している "Windows ソフトウェア ライセンス管理ツール" である
    slmgr.vbs を利用する方法があります。

    コマンド プロンプトを管理者として起動していただき、以下のコマンドを実行します。

    cscript %WinDir%\System32\slmgr.vbs -dli
    (cscript %WinDir%\System32\slmgr.vbs -dlv でも可)

    KMS ホストか KMS クライアントであるかは slmgr.vbs の実行結果の
    "説明" 欄に含まれている内容で判断が可能です。

    - KMS ホストの場合

    VOLUME_KMS_x channel
    (VOLUME_KMS_R2_x channel)
    x  に含まれる文字はインストールするボリューム ライセンス キーの種類により異なります。

    - KMS クライアントの場合

    VOLUME_KMSCLIENT channel

    それぞれの環境でのコマンド実行例を以下に紹介します。

    KMS ホスト環境での実行例
    KMS Host - slmgr.vbs -dli
    KMS クライアント環境での実行例
    KMS Client - slmgr.vbs -dli

    なお、同様の方法により、MAK ライセンス認証をご利用の環境か
    どうかについても確認が可能です。

    - MAK クライアントの場合

    VOLUME_MAK_x channel
    x  に含まれる文字はインストールするボリューム ライセンス キーの種類により異なります。
    MAK クライアント環境での実行例
    MAK Client - slmgr.vbs -dli

    KMS ホストから KMS クライアントへの変更方法

    ここでは、誤って KMS 用のボリューム ライセンス キーをインストールし、
    KMS ホストとして構成してしまった場合に KMS クライアントに戻す方法について
    ご紹介いたします。

    また、KMS クライアントとしてセットアップされた状態から
    MAK ライセンス認証の構成または、KMS ホストとして構成する際の
    ボリューム ライセンスキーのインストール方法も同じ手順となります。

    ボリューム アクティベーション 2.0 の特徴にも記載いたしましたが、
    OS セットアップ後において、プロダクト キーの変更が可能となっており、
    プロダクト キーの変更により、KMS ホストの環境から KMS クライアントへの環境変更が可能です。
    また、反対に KMS クライアントから KMS ホストへの変更も可能です。

    KMS ホストから KMS クライアントに戻す場合は、KMS クライアント用の
    セットアップ キー (プロダクトキー) を入力する必要があります。
    (KMS クライアントから KMS ホストにする場合は、KMS 用のボリューム ライセンス キーを入力します。)

    このセットアップ キーは OS およびエディションによってあらかじめ
    決められている固定のプロダクト キーを使用します。

    代表的なものついては以下の表にまとめさせていただきましたので、
    お使いの環境に合わせてご利用ください。

    ボリューム ライセンス プログラムとしての KMS プロダクト キーはあくまで KMS ホスト用のものになります。

    KMS クライアントは KMS ホストが構成されていて初めてライセンス認証を行えるものになりますので、
    KMS ホスト用のボリューム ライセンス キーのみ厳重に管理していただければライセンス上問題はありません。
    (KMS クライアント用のキーは、OS およびエディションが同じであればどの環境でも一律同じものを使用します。)
    KMS クライアントのセットアップ キー
    オペレーティング システム エディション プロダクト キー
    Windows Vista Business YFKBB-PQJJV-G996G-VWGXY-2V3X8
    Windows Vista Enterprise VKK3X-68KWM-X2YGT-QR4M6-4BWMV
    Windows Server 2008 Standard TM24T-X9RMF-VWXK6-X8JC9-BFGM2
    Windows Server 2008 Enterprise YQGMW-MPWTJ-34KDK-48M3W-X4Q6V
    Windows Server 2008 Datacenter 7M67G-PC374-GR742-YH8V4-TCBY3
    Windows 7 Professional FJ82H-XT6CR-J8D7P-XQJJ2-GPDD4
    Windows 7 Enterprise 33PXH-7Y6KF-2VJC9-XBBR8-HVTHH
    Windows Server 2008 R2 Standard YC6KT-GKW9T-YTKYR-T4X34-R7VHC
    Windows Server 2008 R2 Enterprise 489J6-VHDMP-X63PK-3K798-CPX3Y
    Windows Server 2008 R2 Datacenter 74YFP-3QFB3-KQT8W-PMXWJ-7M648

    プロダクト キーの変更方法としては GUI からの方法および
    上記でご紹介した slmgr.vbs の 2 通りの方法があります。

    GUI の場合は、コントロール パネル内にある "システム" を開き、
    以下 "システム" 画面内にある "プロダクト キーの変更" から行います。

    Windows Server 2008 System Property

    一方、slmgr.vbs から行う場合は、前回同様コマンド プロンプトを管理者として起動していただき、
    以下のコマンドを実行します。

    cscript %WinDir%\System32\slmgr.vbs -ipk <KMS Setup Key>
    または
    cscript %WinDir%\System32\slmgr.vbs -ipk <KMS Volume License Key>
    MAK ライセンス認証に変更する場合は、MAK 用のボリューム ライセンス キーを指定します。

    以下は、KMS ホストから KMS クライアントに変更後、
    KMS クライアントに変更されている事を確認した際のコマンド実行例となります。
    (Windows Server 2008 Enterprise 用の KMS クライアント セットアップ キーを使用しています。)

    KMS Host to KMS Client


    まとめ

    最後に今回ご説明いたしました内容について
    抑えて頂きたいポイントのまとめと参考情報のご紹介をさせていただきます。

    まとめ
    • KMS ライセンス認証は KMS ホストと KMS クライアントの 2 種類の環境の構成となる
    • KMS 用ボリューム ライセンス キーは KMS ホスト用のプロダクトキーである
    • ボリューム ライセンス用インストール メディアでセットアップを行うと
      自動的に KMS クライアントとして構成される
    • KMS ホストか KMS クライアントの判断およびプロダクトキーの変更は slmgr.vbs から行う事が可能
    参考情報
    ボリューム アクティベーション (Volume Activation)
    http://www.microsoft.com/japan/licensing/MPA/default.mspx

    新しいライセンス認証 ボリューム アクティベーション 2.0
    http://www.microsoft.com/japan/licensing/vl/activation/va/default.mspx

    ボリューム アクティベーション 2.0 FAQ
    http://www.microsoft.com/japan/licensing/vl/activation/windowsvista/FAQ.mspx

    KMS ライセンス認証とは
    http://www.microsoft.com/japan/licensing/vl/activation/va/KMS.mspx

    ボリューム アクティベーション 2.0 KMS 編 ステップ バイステップ
    http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=D69B1B7C-B393-4537-89B8-BFAB153EE9DB&displaylang=ja

  • Data Protection Manager 2007 DPM データベースの バックアップとリストア

    こんにちは。Windows テクノロジー サポートの服部です。

     

    今日は、DPM 2007 をご利用いただいている皆様へDPM データ ベースのバックアップ/リストアについてご紹介したいと思います。

     

    DPM データベース とは

     

    まずは DPM データベース (DPMDB) についてご説明します。

     

    DPM データベース (DPMDB.mdfDPM データベースのファイル名です。) とは、DPM の設定および構成に関する情報を格納する SQL Server のデータベースです。DPM データベースには、保護対象の情報や、保護グループの設定、取得済みの回復ポイント、ジョブの失敗や成功の情報、DPM の全ての内部情報が格納されています。

     

    DPM データベース取得の目的

     

    DPM サーバーに何らかの障害が発生した結果、DPMDB に何らかの異常が発生し、破損したり消えてしまった場合、DPM の情報は何もかも失われてしまいます。DPM の記憶域プールのディスクが無事な場合も、DPMDB が無ければ使い物になりません。

    先に記載しましたとおり、DPMDB が残っている場合、記憶域プールにある情報が使用できますが、記憶域プールの内容から DPM DB を作成するといったことはできないため DPMDB をバックアップしておくことを推奨しています。

     

    つまり、DPMDB のバックアップは DPM サーバー自体のディザスタリカバリの一つとして不可欠な情報なのです。

    もちろん、保護対象からバックアップしたデータ (レプリカ) DPMDB には含まれない為、レプリカは別途バックアップしておくことをお勧めしておりますが、DPMDB のバックアップだけでも以下のような状況で役に立ちます。

     

    - DPM サーバーに異常が発生し、システムが起動不可能になったがレプリカのストレージは無事、という場合に OS を再インストールして DPM を復旧したい。

    - DPM の何かの設定を変更したら、DPM 2007 ���理者コンソールがクラッシュしてしまうようになった。設定変更前の状態に戻したい。

    - DPM の修正プログラム (ロールアップ プログラム) Service Pack 適用を行ったが、適用前の状態に戻したい。(DPM では適用した修正プログラムや  Service Pack はアンインストールして適用前の状態に戻すことが想定されていないため元の状態に戻すことはできません。更新プログラムの適用中にトラブルが発生した場合に対処するためには DPMDB のバックアップが必要です。)

     

    更新プログラム適用中に電源が落ちてしまい、DPM 2007 が起動不可能になった、等の状況に対して、DPM の修正プログラムを適用するなどの変更前の時点の DPM の状態に復旧するために有効です。(DPM 2007 を再インストール後に DPMDB のリストアを行うだけで OK です。)

     

    DPM データ ベースの取得方法

    バックアップを取得する方法は以下の 3 つの方法があります

     

    a. DPMBackup.exe コマンド

    b. セカンダリ DPM サーバーを使用したプライマリ DPM サーバーのデータ ベースバックアップ

    c. テープへのバックアップ

     

    上記 3 つの方法の特徴をまとめます。

    a)    DPMBackup.exeコマンドを実行すると DPMDB を他のバックアップソフトでも取得可能な

     .bak” という形式のファイルで保存します。

     

    b) プライマリ DPM サーバー(主体となってバックアップを実行しているサーバー)

    とは別にセカンダリ DPMサーバーを構築する必要があります。セカンダリサーバーから

    DPMDB を保護します。

     

    -参考資料
    Backing Up DPM by Using a Secondary DPM Server
    http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb795680(en-us).aspx

     

    c)  DPMDBの保存先はディスクまたはテープが考えられますが、

    DPM 起動障害により、DPM サーバの再構築を行う場合は、テープにバックアップした

    DPMDB のリストアを行っていただく必要があります。

    テープへの保存については b. のセカンダリ DPM サーバーを使用する方法または

    a.    の形式で保存したファイルをテープへ保存可能な 3 rd パーティのバックアップ

    アプリケーションを使用してバックアップする方法などが考えられます。

     

    DPMDB のバックアップ ステップ バイ ステップ

     

    今回は、前項に記載しました方法の中から DPMBackup.exe コマンドを使用したバックアップ手順について記載します。セカンダリ DPM やテープ ドライブをご用意いただけない環境においても、簡単に DPM の情報をバックアップすることが可能です。

     

    手順:

    ----------------------------------

    1. プライマリ DPM にログインし、 [DPM 管理シェル] を起動します。

    2. 以下のコマンドを入力し、現在の DPM データベースのバックアップを作成します。

     

    >dpmbackup -db

     

    3. "C:\Program Files\Microsoft DPM\DPM\Volumes\ShadowCopy\Database Backups" 以下に

    DPMDB.bak というファイルが作成されることをご確認下さい。

     

    4. DPMDB.bak ファイルを保存します。別のストレージ (他のファイル サーバーの共有フォルダ、

    外付けドライブ等) に保存いただくと安心です。

    ----------------------------------

     

    リストア方法

     

    次に、DPMDB を復旧する手順について記載します。手順の概要は以下の通りです。

     

    手順概要

    ----------------------------------

    ※ 手順 1 から 5 は、DPM 2007 のアンインストールから再インストールまでのご紹介となりますが、DPM サーバーの OS が起動出来ないという障害発生シナリオの場合は同じホスト名で Windows Server の再構築を行い、ドメインに参加する必要がございます。Windows Server の復旧については、Windows Server のエディションや、適用されていたサービスパックや更新プログラムなど、以前と同等の状態にしていただく必要がありま��。(OS 自体のバックアップを Windows Server Backup NTBackup、ないしは DPM System Recovery Tool にて取得いただいていると、復元もより容易になります。)

     

    1.   DPM データベースを復元する前にコントロールパネルのプログラムの追加と削除より

    DPM 2007 をアンインストールします。

    ※必ず、アンインストール時に “ディスクベースの回復ポイントを保持する”を選択します。

     

    2.   マシンを再起動します。

     

    3.   "SQL Server Management Studio" より DPMDB を削除します。

     

    =====================================

    [管理ツール] [サービス] から、”SQL Server Reporting Services” サービスを停止しておきます。

     

    3-1. [スタート] メニューから [Microsoft SQL Server 2005] -> [SQL Server Management Studio] をクリックします。

     

    3-2. <コンピュータ名>\MS$DPM2007$ を選択し、[Connect] を選択します。

     

    3-3. 左ペインの “Databases” を展開し、”DPMDB” を右クリックして [Delete] を選択します。

    =====================================

     

    4. DPM 2007 をインストールします。DPM 2007 のインストールに続いて、Service Pack 1 やロールアップ パッケージ等、DPM データベースのバックアップ取得時と同じのものをインストールしておきます。

     

    5. マシンを再起動します。 

     

    6. DPM サーバーで、ファイルを復元するフォルダ (復元先フォルダ) を作成します。

     

    7. DPMDBを復元先フォルダに復元します。

     

    8. DPMSync コマンドを使用して DPMDBをアタッチします。

     

    (コマンド実行例:)

    DPMSync RestoreDB DBLoc “復元先フォルダ\DPMDB.bak

     

    DPMSync コマンドは DPM サービスをオフラインにし、 SQL Server DPMDBをアタッチします。

     

    9. DPMSync sync コマンドを実行します。

     

    下図のような出力結果となります。

     

     

    DPMSync sync コマンドにより、マウント ポイント (DPM のレプリカや回復ポイント用ボリュームのマウント先) が以下のように復旧します。これにより、DPM 2007 からレプリカや回復ポイント用のボリュームにアクセス出来るようになるので、障害発生前に取得したバックアップからの回復や、バックアップの継続が可能となります。

     

     

    DPMSync sync 実行直後は、すべての保護グループに対して整合性が無い状態となりますので、[DPM 2007 管理者コンソール] を開き、各保護グループに対して整合性チェックを実行して下さい。

     

     

    補足:

    DPMDB をリストアした際に、以下の様なエラーが発生し、レポート機能が正常に動作しない場合がございます。

     

    =====================================

    レポートの処理中にエラーが発生しました。(rsProcessingAborted)

    データ ソース 'DLS' への接続を作成できません。(rsErrorOpeningConnection)

    Cannot open database "DPMDB" requested by the login. The login failed. Login failed for user <サーバー名>\DPMR$<サーバー名>.

    =====================================

     

    本エラーは DPMDB の再作成やリストアにより、レポート機能実施に必要なユーザー (<サーバー名>\DPMR$<サーバー名>) が新しく登録された DPMDB に対するアクセス権を保持していないためになります。

    上記のエラーが発生した際には、以下の手順を実施し、 (<サーバ��名>\DPMR$<サーバー名>) に対して、適切なアクセス権を付与していただくことで、レポート機能が正常に動作いたします。

     

    手順:

    ----------------------------------

    1. [Microsoft SQL Server Management Studio] を起動します。

     

    2. 以下を右クリックし、[Properties] を選択します。

     

    [Security] -> [Logins] -> [<サーバー名>\DPMDBReaders$<サーバー名>]

    ( <サーバー名>\DPMDBReaders$<サーバー名> はローカルに存在するグループとなり、ユーザー (<サーバー名>\DPMR$<サーバー名>) が所属しています。)

     

    3. 左ペインより、[User Mapping] を選択します。

     

    4. 右ペイン上部より、[Database] DPMDB の項目にチェックを入れます。

     

    5. 右ペイン下部より、[public] および [db_datareader] にチェックを入れます。

     

     

    参考情報:

    How to Recover DPM Databases

    http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb808944.aspx

     

    Repairing DPM 2007

    http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb808769.aspx

     

    Using DpmSync

    http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb808877.aspx

     

    Backing Up DPM Databases to Tape

    http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb795710.aspx

     

    Recovering DPM Servers

    http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb808991.aspx

     

    どのぐらいの頻度でバックアップすべきか
     

    最後に、DPMDB をどのぐらいの頻度でバックアップすべきか、という点を説明いたします。

     

    レプリカ ボリュームと回復ポイント ボリュームが消失していないが、OS や DPM 2007 が起動不能になった、というシナリオについて、レプリカ ボリュームのみ再利用したい場合は、保護グループの変更や、保護エージェントのインストールを行って保護対象を追加した、等の設定変更ごとに取得いただければ結構です。

     

    一方で、回復ポイントも復旧したい場合は、DPMDB は回復ポイントを行った日ごとに取っていただく必要があります。

    例を以下の通りご紹介します。

     

    1. DPMDB のバックアップ (甲) を作成

    2. 回復ポイント A を作成

    3. 回復ポイント B を作成

    4. DPMDB のバックアップ (乙) を作成

    5. 回復ポイント C を作成

    6. 回復ポイント D を作成

    7. DPMDB のバックアップ (丙) を作成

     

    (※ 1 から 7 の順番に時系列です。)

    ここで DPM サーバーに障害が発生し、OS や DPM 2007 の起動が不可能になった際に DPMDB のバックアップ (甲)  から DPM サーバーを復旧した場合、レプリカ ボリュームのみが再利用可能となります。

    DPMDB のバックアップ (乙) をリストアした場合、レプリカ ボリュームと、回復ポイント ボリュームに残る 回復ポイント A, B は利用可能になりますが、回復ポイント C、D は復旧されません。

    DPMDB のバックアップ (丙) をリストアした場合のみ、回復ポイント A,B,C,D とレプリカの全てが再利用可能となります。

     

    つまり、回復ポイントも全て復旧したい、というケースにおいては DPMDB はかなり頻繁に取得いただく必要があります。

     

    一般的な運用の指標として、DPMDB は DPM サーバーの全体的な障害 (記憶域プールも含めた全損) を想定してバックアップしますので、こういった場合、レプリカをテープやセカンダリ DPM から取得しておき、DPMDB とレプリカをリストアして DPM サーバーを復旧させます。この場合、回復ポイント ボリュームはいずれにせよ消失するため、DPMDB を頻繁にとるメリットはありません。

    しかしながら、ニーズとして、回復ポイント ボリュームに障害が出ていない場合には、残存する回復ポイントも利用したいという場合には、DPMDB を頻繁にバックアップいただくことも選択肢の一つであるとお考え下さい。