MOF: Continuous Improvement Roadmap
MOF (Microsoft Operations Framework) の進化形と位置づけられる、MOF Continuous Improvement Roadmap がリリースされました。
運用管理のベストプラクティスを体系的に文書化した ITIL は、多くの運用管理に携わる人々に知られ、注目されていると思います。MOF は、その ITIL をベースに、マイクロソフト製品の運用管理に特化した部分を追加して、実施するためのサイクルにまとめなおしたものです。ITIL や MOF は、現状の運用管理をプロセスとして再構築し、属人的な部分をなるべく減らし、さらに運用管理がどのくらいきちんとできているか見えるようにするために有効です。また、IT を提供する側と利用する側とのコミュニケーションを良くするための共通言語、ツールとしての役割も果たします。つまり、運用管理側は、個々の機能 (SMTP, POP, DHCP, DNS, Web サーバー、データベースサーバーなど)の単位で考え、運用するのがリーズナブルだと思いますが、ユーザーからみると、サービス(メール、リモートアクセス、社内ポータルなど)の単位で理解しているような場合、そのギャップを埋めるために、サービスと機能のプロトコル変換をしてくれるものでもあります。
さて、前置きが長くなりましたが、MOF が「サービス」と「機能」との間を埋めるものだとすると、それだけではまだ十分ではなく、さらに大きなくくりで「ビジネス」と「IT」との間を埋めるものが必要ではないかという議論が出てきました。そこで、MOF を包含するような、より大きなフレームワークを作ろうということになり、ついに登場したのが
MOF: Continuous Improvement Roadmap (英語)
です。これは文字通り、MOF による継続的な改善を目標とするもので、MOF を実践するためのロードマップとも言えます。現在の MOF v3 を包含するため、その進化形と考えることもできますし、メタプロセスと考えてもいいと思います。特徴は、アセスメントベースのプロセスであることです。それにより、IT 運用の成熟度に何が最も不足しているかをビジネスバリューの観点から明らかにするということがテーマです。
プロセスは3つの要素からなります。
- MOF Service Management Assessment
- 現状の人的パフォーマンス、IT サービスマネジメントプロセス、テクノロジーの有効利用度を、ビジネスバリューの向上という面から理解することに主眼を置いたアセスメント
- MOF Service Improvement Program
- アセスメントの結果や、他のビジネス要件をもとに、人的パフォーマンスの向上、IT サービスマネジメントプロセスの改善、テクノロジーの有効利用を図る
- MOF Service Management Guidance
具体的には、ガイダンスとなるドキュメントやテンプレート、スコアカードのテンプレートから構成されています。それら一式がダウンロード可能です。
MOF Continuous Improvement Roadmap (英語・ダウンロードページ)
かなり細かい内容で、アセスメント会議の招集文書のテンプレートまであります。英語ですし、ダウンロードしてすぐに使えるものではありませんが、ぜひチェックしてみてください。
MOF Continuous Improvement Roadmap のメッセージの一つに、『Cost-driven な IT から Value-driven の IT へ』というものがあります。コストセンターとして認識されがちな IT 部門を、価値を生み出す役割を果たす部門へと変わっていきましょう、ということだと思います。ビジネスと IT をつなぐ役割というのは、この変化を進める上で重要になってくるのではないでしょうか。