Word Web App の高度な編集機能

原文の記事の投稿日: 2012 年 8 月 3 日 (金曜日)

これは、Office Web Apps エンジニアリング チームが Office Web Apps の次のリリースについて深く掘り下げる週刊ブログ投稿の第 1 回です。数週間前に Mike Morton が「new Office Web Apps (英語)」で述べていたように、このリリースの重要なシナリオの 1 つはオーサリング機能の強化です。

今回の投稿では、Office Web Applications チームのプログラム マネージャー、Ken Yuhas が、これらの機能強化について説明し、これらの機能を Word Web App のためにブラウザーで構築する際にどのような方法が使用されたのかをご紹介します。

20 年以上にわたって発展してきた Office アプリケーションには、生産性向上に役立つ機能が数多く含まれています。Office Web Apps の各リリースにかけられる時間は限られているため、それらの機能や新しいシナリオに優先順位を付けて、どの機能に時間をかけるかを決める必要があります。その決定は、お客様のフィードバック、使用状況データ、新しいシナリオへの投資に基づいて行われます。Web Apps は頻繁にリリースされているため、今後も引き続き、皆さんにとって重要な機能をお聞かせください。

ページ レイアウト

Word Web App ビューアーでは常にデスクトップの Microsoft Word と同じ忠実度でドキュメントが表示されていましたが、Word Web App エディターには同じページ レイアウト機能はありませんでした。今回これらの機能が追加されて、変更が最終的なレイアウトに与える影響をリアルタイムで確認できるようになりました。この編集エクスペリエンスの劇的な向上は、画像で見ていただくのが一番でしょう。

(Office 2010 の Word Web App エディター)

(Word Web App エディター 2013)

このように、ドキュメントの正確なページ幅、向き、余白、段落の間隔、インデントなどを、ブラウザーで直接確認できるようになりました。これらのプロパティを簡単に変更できるように、リボンに [ページ レイアウト] (Page Layout) タブも追加されています。これらの機能強化によって、ご覧のように、印刷ドキュメントに匹敵する忠実度が実現されます。

ドキュメントを開くと、サーバーでファイルが処理されて、ページ レイアウトのプロパティがドキュメントのコンテンツと共にブラウザーに送信されます。その後、ブラウザーで実行される JavaScript により、コンテンツに適切な CSS 値が適用されます。残りの処理はブラウザーによって行われます。ブラウザーと Microsoft Word で同じレイアウトが表示されるように変換を正しく行うことがポイントです。

 

(Word Web App エディター 2013 の [ページ レイアウト] (Page Layout) タブ)

Office Art

このリリースの Word エディターには、Office Art (効果付きの画像、グラフ、SmartArt、ワードアートなど) を表示する機能も追加されています。画像に新しい図のスタイルをブラウザーから直接適用できます。ドキュメントにアクセスする場所に関係なく一貫したエクスペリエンスが得られるように、画像は、サーバーで同じグラフィックス エンジンを使用してレンダリングされてから Web App に送信されます。

(Word Web App エディター 2013 の図の効果のオプション)

文字カウント

文字カウントは、お客様からのリクエストが最も多かった機能の 1 つです。そのため、このリリースでぜひ追加したかった機能です。このリリースでは、デスクトップ アプリケーションと同じように、ステータス バーに文字カウントが表示されます。ブラウザーで文字カウント機能を構築するのはやりがいのある課題でした。

(Word Web App エディター 2013 の文字カウント)

文字カウント機能の主要なアクティビティは単語区切り処理 (単語を構成する文字グループの特定) です。その処理には、私たちの単語区切り処理コードで 1 単語あたり約 1 ミリ秒、ブラウザーでは 1 単語あたり約 2 ミリ秒かかることがわかりました (標準の Unicode 文字の場合)。JavaScript はシングル スレッドなので、起動時に 20 ページのドキュメントのすべての単語をカウントすると、アプリが 12 秒以上停止する可能性があります。

アプリを停止させずに文字カウントをバックグラウンドで実行できるようにするために、文字カウントの処理を分割することにしました。文字カウントが開始されたら、まず、JavaScript のコールバックを使用して約 100 語までカウントします。その後、入力やクリックなどの新しいイベントを処理するために、アプリケーションの残りの部分に制御を戻します。すべてのイベントが処理されたら、文字カウントを再開します。

仕上げ

このリリースでは、Word Web App の全体的な編集エクスペリエンスに貢献する小さな機能にも時間が費やされています。たとえば、コメントを含むドキュメントを編集したり、変更を追跡したりできるようになっています。また、文献目録、目次などのコンテンツ コントロールを表示する機能も追加されています。挿入された画像は、新しい段落ではなくインラインに配置されるようになりました。さらに、新しい拡大/収縮ボタンを使用してフォント サイズを変更することもできます。

(Word によって生成された文献目録と新たに挿入されたインライン画像を含むドキュメント)

このブログ投稿では、Word Web App の新しい高度なオーサリング機能を紹介しました。SkyDrive で新しい Office Web Apps を試してみるには、この特別なリンクを使用してサインインするか、Office 365 プレビューに参加してください。

 Ken Yuhas

プログラム マネージャー - Office Web Applications

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「Building Advanced Editing in Word Web App」をご覧ください。