Posted by Diego M. Oppenheimer
9 月 6 日

今回の記事の執筆者は、Excel チームで上級主幹プログラム マネージャーを務める Scott Ruble です。   

Office 2013 の Excel、Word、PowerPoint、および Project には、Office DataViz チームによって開発された強力なグラフ機能が備わっています。きわめて多機能なので今回はほんの概要しか紹介できませんが、今後の記事で、具体的な活用方法や使い方の手順を詳しくお伝えしていく予定です。

Office 2007 リリースで Excel のグラフエンジンの置き換えとレンダリング レイヤーの変更が行われ、サーバー上でグラフを実行する機能が実現したときから、筆者は Excel のグラフ機能の開発に携わっています。あのリリースは、Office のデータ視覚化機能にまったく新しい方向性を導入した意欲的なものでした。以来、私は Excel のグラフに関するブログ記事を何本か書きましたが、そのたびに「あんな機能は、こんな機能はいつ実現するの?」といった類のコメントを多数いただいたものです。Office のグラフ機能を愛用してくださっている皆さんの熱意がひしひしと伝わってきて、非常にありがたく思いました。

次期 Office 製品サイクルの立ち上げにあたり、私たちはまず、数年来寄せられたあらゆる貴重なご意見を生かすためにじっくりと検討を重ねました。また、ユーザーがどういう仕事習慣を持っているのか、どんなことで切実に困っているのか、どんなニーズが満たされずにいるのかをよく知るために、いろいろなお客様のもとを訪ねました。検討の結果、私たちがたどり着いた結論はシンプルでした ― ほとんどのユーザーにとって、グラフの作成やカスタマイズはなかなか敷居が高い、たとえデータセットが単純であっても気軽にできる作業ではない、ということです。いきおい、次期 Office リリースにおいては、グラフの作成やカスタマイズという作業のハードルを大幅に下げることが目標になりました。今回はそういう経緯を踏まえつつ、Office の便利で新しいグラフ機能を紹介して行きましょう。Excel を例にとって説明しますが、ほとんどの機能は Word、PowerPoint、Project でも同じように利用できます。

 

おすすめグラフ

ユーザーの皆さんは、「このデータを表現するのに適したグラフの種類はどれだろう?」と毎度悩んで、結局、最適かどうかはともかく馴染みのあるグラフを使っている場合が多いようです。実際、表現するデータに最適なグラフの種類を選ぶにはいくつもの要因を考える必要があるのですが、新リリースでは、その作業全体を簡単に実行する [おすすめグラフ] ボタンを [挿入] リボンの下に用意しました。おすすめグラフ機能は、選択されているデータを分析し、一連のルールに基づいて、データに適したグラフの種類を一覧表示するものです。ちなみに、この一覧に 3-D グラフが出てくることはないでしょう。3-D グラフは格好がいい反面、データを正しく読み取るのが難しいという欠点があります。もちろん 3-D グラフも用意されていますが、使いたい場合は少しだけ奥のほうを探す必要があります ([グラフの挿入] ダイアログの [すべてのグラフ] タブ)。

[グラフの挿入] ダイアログにはライブ プレビューも表示されるので、そのデータが実際どのようなグラフになるのかを確認しながら種類を選ぶことができます。また、繰り返し出現する値 (たとえば、販売の取引カ��ゴリなど) が検出された場合には、通常のグラフではなくピボットグラフが (カテゴリ分けした状態で) おすすめに表示されます。これなら、グラフ作成の初期段階で発生しがちな試行錯誤の手間がかなり減るのではないでしょうか。さらにもう 1 つ、レビューで絶賛されること間違いなしの機能があります。なんと、系列グラフの挿入時には必ず凡例が付くようになりました!

 

組み合わせグラフ

[グラフの挿入] ダイアログの [すべてのグラフ] タブには、その名のとおりすべての種類のグラフが、データのライブ プレビュー付きで表示されます。ユーザーから寄せられる質問は、組み合わせグラフ (たとえば、縦棒 + 折れ線グラフ) の作り方に関するものが非常に多いので、新リリースでは、[すべてのグラフ] タブに [組み合わせ] カテゴリを設けました。これを選択すると、お好きな種類のグラフを組み合わせたものを簡単に作成できます。また、組み合わせた種類の 1 つを第 2 軸に移動することも非常に簡単になりました。従来のバージョンでは、これを行う方法を説明するだけでブログ記事がまるまる 1 本書けるくらい難解なことだったのです。

 

グラフのカスタマイズ

たいていの場合、作成したグラフには何らかの手を加える必要があります。その際、選択したグラフの右肩に表示されるボタンを使えば、一般的な操作を手早く実行できます。一番上のボタン (グラフ要素) では、グラフに含めるタイトルなどの要素をすぐに追加したり、削除したりすることができ、選択項目にマウス ポインターをかざせばライブ プレビューも表示されます。たとえば、データテーブルの意味を知らなくても、[データ テーブル] にポインターをかざすと、それがどういうものかすぐに分かります。また、グラフに変更 (凡例の削除、データ要素値の変更など) を加えたときは、それによって何が変化したのかがアニメーションで分かりやすく表示されます。2 番目のボタン (グラフ スタイル) では、美しくデザインされた各種のスタイルを選択できます。きわめて簡潔なものから凝ったものまで、さまざまな見た目を備えたスタイルが用意されています。また、別の配色を選択して見た目を変化させることもできます。一番下のボタン (グラフ フィルター) では、グラフに含めるカテゴリや系列を簡単に追加したり、削除したりできます。場合によって、グラフには余分なデータが入ってしまうことがありますが、グラフフィルターを使えば、そういう余分な値 (たとえば、下の例に含まれている合計の値) をボタン 1 つで削除できます。

 

書式設定の作業ウィンドウ

グラフ内の細かい要素に対する調整も、なるべくスムーズに実行できるように工夫しました。新リリースでは、グラフ要素のプロパティは作業ウィンドウに表示されます。たとえば、要素をダブルクリックするか Ctrl+1 キーを押すと系列のプロパティが作業ウィンドウで開き、編集可能な状態になります。プロパティの一部に変更を加えると、その内容がグラフに反映されるので、効果がすぐ分かります。また、作業ウィンドウの上部にある要素選択用のメニューを使うと、別のグラフ要素への切り替えがすぐにできます。これは、グラフ上で直接選択しにくい小さな項目のプロパティを表示したいときに便利です。

 

データ ラベル

グラフのラベル機能は、過去のリリースでも、もっと充実させてほしいというご要望をたびたびいただいていた部分です。それを、新しい Office では一気に強化しました。ラベルを吹き出し形にするなどして見た目に変化を付けられるのはもちろん、自由形式のテキストを含めたり、ラベルの値を特定のセルと結びつけたりできます。これは、データ要素の詳しい説明を添えるときなどにたいへん便利です。さらに、もう 1 つの注目機能として、散布図にラベルを追加することが可能になりました。これについては、また別の記事で詳しくお伝えする予定です。

 

 

サーバー グラフ

ブック内のグラフ レンダリング処理をサーバー上で実行する機能は、だいぶ前のリリースからありますが、必ずしもクライアント上と同じ描画ができるわけではありませんでした。影、面取り、その他さまざまな効果など、サーバー上では使えない書式設定オプションが多数あり、忠実度が高いとはいえない機能だったのです。新しい Office では、Excel Services および Web Apps と Excel、Word、PowerPoint でのサーバー レンダリング機能が大幅に強化され、クライアント上でもサーバー上でも、グラフのレンダリングに同様の効果が適用されるようになりました。 

 

Word および PowerPoint のデータグリッド

従来のバージョンでは、Word および PowerPoint のグラフ データ グリッドはかなり「目障り」な存在で、貴重な画面上のエリアが大幅に占有されること、ウィンドウを自由にレイアウトできないことなど、何かと不便がありました。新しい Officeでは、グラフ上に浮いたコンパクトなウィンドウにデータ グリッドが表示されるようになり、扱いやすさが大きく向上しました。また、元に戻す/やり直すコマンドや Excel で開くコマンドにも、便利なコントロールで簡単にアクセスできるようになりました。

 

以上、次期 Office はグラフ機能の改良に非常に力を入れたリリースであることがお分かりいただけたでしょうか。この改良によって、グラフの作成やカスタマイズがぐっと身近な作業になり、ひいては皆さんの生産性が高まるものと期待しています。感想をお聞かせいただければ幸いです。

 

-- Scott