今回は、マイクロソフトの IT コンシューマライゼーション について、その全体像を解説します。
1. IT を取り巻く状況の変化
Wikipedia によれば、最初に「コンシューマライゼーション(Consumerization)」という言葉が広く一般の目に触れたのは 2001年のことだそうです。利用者サービスに重点を置いた Web 2.0 が提唱された流れの中で、利用者(消費者、コンシューマー)が活用するオンラインサービスをはじめ、個人が持つPCや携帯電話、その他のデバイスが企業のシステムの一部として活用され浸透していくプロセスをこう呼びました。
Consumerization - Wikipedia, the free encyclopedia ※このサイトに掲載されている Consumerization Report 2011 は面白いので是非とも参照してください
上記サイトに掲載されている Trend Micro Consumerization Report 2011(調査対象は 500人以上の従業員を持つ企業で、回答数は600とのこと)によれば、日本において個人デバイスの利用を許可している企業は、全体の 36% だそうです。これに対してアメリカでは 75%。調査対象の企業規模が不明ですが、レポート中のグラフを参照すると従業員数 1000人以上の企業を対象にしているように見えます。もっと小規模な企業を含めれば、この割合もさらに増えるものと思われますが、それでも 36% の日本企業が、従業員に個人デバイスの利用を許可しているという現状は、正直なところ驚きでした。ただし、具体的なデバイスまでは明確にされておらず、"携帯電話"による通話を許可している場合も多く含まれているものと考えられます。
いずれにしても、国ごとにスピードの差はあれど、間違いなくコンシューマライゼーションは進行しつつあると言えるでしょう。
そうした状況を裏付ける1つの要素と見られる記事が、Techcrunch に掲載されました。
PC の次にくるもの:IWの半数以上が3台以上のデバイスを使用 Here’s What “Post-PC” Looks Like: Over Half Of Info Workers Use 3 Or More Devices | TechCrunch
ここに抜粋されているレポートは Forrester Research 社が 10,000人のインフォメーションワーカー(IW)と 2,300 人の IT "ハードウェア" 採用決定者(IT hardware decision-makers)対象に行ったものです。
グラフをご覧いただくと一目瞭然ですが、IW の 52 %が 3台以上の(業務用または個人用の)デバイスを業務目的に使用しており(6台以上が14%!)、そのうち��� 60% が仕事とプライベートの兼用であるとこのこと。そして、そうして使われている全デバイスのうち 33% が non-microsoft なデバイスだそうです。つまり、iOS、Android など...ですね。MS デバイス云々はひとまずおいておくとして、注目すべきは、既に 25% がスマートフォンおよびタブレットであるということです。こうした傾向は、今後より強まるでしょう。
こうした背景を簡単にまとめると以下の通りです。
当然、これらを放置すれば「社内情報の漏えい」や「デバイスの紛失」のリスクは増すばかりです。かといって、これまでのように「社内 PC の持ち出し禁止」「個人 PC の持ち込み禁止」「USBメモリの使用禁止」といった机上のルールは、今後有名無実化するでしょう。たとえ罰則を厳しくしたところで、リスクをゼロにすることはできないでしょう。
であれば、IT 部門が舵を取るべき方向は1つです。
利用者の要望に応えられる IT インフラを準備すべきです。もちろん、十分な安全性を備えたインフラです。
マイクロソフトは、セキュリティをとことんまで突き詰めた IT こそが利用者のニーズに最大限にこたえられると考えています。もちろん、それは単にガチガチの IT を作るということではなく、コンシューマライゼーションとともに実装する必要があり、マイクロソフトの製品によってそれを実現できます。そうして完成した IT インフラが柔軟な働き方を実現し、それによって利用者はプライベートとのバランスを保つことができ、かつ企業は生産性の向上を得ることができるのです。理想的な IT インフラは、IT 部門だけでなく利用者のメリットを通じて、経営にも良い影響を与えます。
2.フレキシブル ワークスタイルとは
以下のスライドはフレキシブルワークスタイルのコンセプトを表したものです。
フレキシブルワークスタイルは以下の3つのコンセプトから成っています。
社内であっても社外からであっても、そしてデバイスが何であろうと、同じように業務リソースにアクセスできることが、フレキシブルワークスタイルの最も基本的な考え方です。もちろん、そのためには高いセキュリティを実現する管理基盤と、クライアント OS が求められます。
現在、多くの方が Windows XP を使用しています。インターネットを参照したり、電子メールを見たり...おそらく今以上のメリットを何も求めないのであれば Windows XP は必要十分であると言えるでしょう。
しかし、本当に「今以上のメリット」は必要ないのでしょうか?
そんなはずはありません。事実、BYOD(Bring Your Own Device)という言葉が出現したきたように、社内の PC を持ち出したり、自分の PC を社内で使いたいという要望が出ています。でもそれが認められないのは、Windows XP がそうした使い方に耐えうる OS では無くなってしまったということです。OS の進化は、「グラフィック」や「デバイスサポート」のみを目的としているわけではありません。時代に合ったセキュリティを実現するのも、OS の重大な役割なのです。
Windows 7 は、まさにそうした役割を担うべく登場しました。
次回は、「どこからでも接続」に挙げた3つのシナリオをベースに、フレキシブルワークスタイルを支えるテクノロジーについて解説します。
マイクロソフトの IT コンシューマライゼーション 全体像 2