Service Manager 2010 インストール時の Tips

みなさん、こんにちは。今回は、System Center Service Manger 2010 のセットアップに関する情報です。

Service Manager のセットアップ方法はTechnet上のガイドに記載されていますが、よく見ておかないとインストールに失敗して手戻りが発生するケースがあります。今回は、インストール時にハマりやすいポイントをまとめてみました。検証環境の構築などの前に読んでみてください。

サーバーの構成
Service Manager自体は最小で1台ほサーバーにインストールが可能ですが、Service Managerで提供されているレポート機能を使用する場合、Service Manager 2010 管理サーバーとレポート管理サーバーは別のサーバーにインストールする必要があります。サーバーを複数台要することが出来ない場合は、Hyper-Vによる仮想化を検討してください。

必要なコンポーネント
Service Manager のインストーラーはインストール時に必要なるコンポーネントがあるかどうかをチェックする機能が用意されていますが、事前に必要なコンポーネントをインストールしておくことで、スムーズにインストールを進めることが可能です。

それぞれの機能を使用する際に必要なコンポーネントは以下の通りです。
・.NET Framework 3.5 SP1
・Webサーバー
  ・静的なコンテンツ
  ・既定のドキュメント
  ・ASP.NET
  ・.NET拡張性
  ・ISAPI拡張
  ・ISAPIフィルター
  ・基本認証
  ・Windows認証
  ・要求フィルター
このほかにも IIS管理コンソールも追加しておくことをお勧めします。

更新プログラム
以下の2つの更新プログラムを事前に適用しておきます。
・KB975332 認証マネージャーの修正プログラム
・KB971119 Microsoft Report Viewer 再頒布可能パッケージのセキュリティ更新プログラム

データベース
Service Manager が使用する SQL Server のコンポーネントは以下の通りです。

・データベースエンジンサービス
・フルテキスト検索
・Reporting Service(レポート管理サーバーの役割を持つサーバーのみにインストール)

インストールに必須ではありませんが、このほかに、管理ツールは加えておいたがよいでしょう。

レポート管理サーバーが使用するデータウェアハウス側のデータベースにもフルテキスト検索をインストールしておく必要があります。レポート管理サーバー+データウェアハウスを1台のサーバーで構築するときには忘れてしまいがちなので注意が必要です。

Service Manager が使用する SQL Server のインストール時には SQL 照合順序を確認する必要があります。デフォルトの設定ではJapanese_CI_ASとなっておりますので、 Japanese_XJIS_100_CI_AS に変更する必要があります。また、データウェアハウスが使用するSQL Serverの照合順序も同じように、Japanese_XJIS_100_CI_ASに設定する必要があります。

証明書
セルフサービスポータル機能を使用する場合、事前にActive Directory 証明書サービスを構築しておく必要があります。
どうしても、証明書サービスを構築できない場合には、以下の方法で一時的に利用できるようにすることも可能です。

1.管理ツールからIISマネージャーを開く
2.セルフサービスポータルを作成するIISのサーバーを左側のツリーから選択する
3.操作ペイン上で[自己署名入り証明書の作成]を選択する
4.適当な名前のフレンドリ名を付けてウィザードを終了させる
5.IISマネージャーの左側のツリーで[サイト]を選択して、操作ペインから[Webサイトの追加]を選択する
6.バインドの種類を https、SSL証明書ではステップ3で作成したSSL証明書を選択、サイト名、ポート番号などを入力しOKクリックする

セルフサービスポータルに接続する場合は、FQDNでホストを指定する必要があります。
また、他のホストからセルフサービスポータルに接続するときには証明書エラーが発生します。(そのままセルフサービスポータルに接続することは可能です)
実環境でセルフサービスポータルを使用する場合は、証明書サービスを使用して証明書を発行することをおすすめします。

SP1によるアップデート
Service Manager 2010 SP1の適用については、前回の記事にもありますように 下記のサイトからダウンロードしてインストールします。

このモジュールは、Service Pack1 だけではなく、Service Manager 2010 そのもののモジュールも含まれています。従って、Service Manager がインストールされていない環境で実行すると、インストールキーの入力を要求されます。(インストールキーを入力しない場合は評価版としてインストールされます)
Service Manager 2010が正しくインストールされている場合は、自動的にアップデート用のウィザードが起動します。

レポート機能を使用している場合には、レポート管理サーバーにもSP1を適用します。Service Manager 2010 SP無しをインストールしてから続けてSP1 を適用する場合には、事前にレポート機能が使用できるように管理コンソール側で初期設定を行っておく必要があります。

ポイントを押さえておくことで、Service Manager のインストールに失敗して手戻りが発生することを未然に防ぐことが可能です。皆さんもぜひトライしてみてください。