Share via


ハイブリッド構成ウィザードで実行される内容について

Exchange Online への移行のため、ハイブリッド環境を構成することを検討されるお客様も多くなっております。
ハイブリッド環境を構成する際にはハイブリッド構成ウィザードを実行いただくことになりますが、ハイブリッド構成ウィザードについて以下のようなお問合せをいただくことがあります。

・ ハイブリッド構成ウィザードではどんな処理が行われるのか?
・ ハイブリッド構成ウィザードを実行すると、オンプレミス側で何が変更されるのか?
・ 2 回目のハイブリッド構成ウィザードの実行で設定が戻ってしまったりしないか?

ハイブリッド構成で実行される項目については以下のブログでもご紹介しているものの、実行されるコマンドや設定値等、より細かい内容等は残念ながら現時点では公開されておりません。

Title : ハイブリッド構成について ~ まとめ編 ~
URL : https://blogs.technet.microsoft.com/exchangeteamjp/2014/10/03/441/

また、ハイブリッド構成ウィザードについては、随時修正や変更が加えられていることや、実行する環境の構成、選択するオプションによっても実行される内容が異なり、全ての環境で同一の項目が設定されるといったものでもありません。
加えて、例えば新規ドメインを追加する場合などには、改めてハイブリッド構成ウィザードを実行する必要がありますが、前回のハイブリッド構成ウィザードの実行後に意図的に設定を変更していた場合などは、これらの値が変更されてしまう可能性などもあります。

では、ハイブリッド構成ウィザードがどんな内容を設定したのかわからないのか?というと、そんなことはなく、ハイブリッド構成ウィザードにもログがございますので、こちらから実行された内容をご確認いただくことが可能です。

前置きが長くなりましたが、今回はこのハイブリッド構成ウィザードのログについてご紹介したいと思います。
 
ハイブリッド構成ウィザードのログについて
ハイブリッド構成ウィザードのログは 2 種類あります。

・ yyyymmdd_xxxx.log
・ yyyymmdd_xxxx.xhcw

上記はどちらもハイブリッド構成ウィザードの実行毎にファイルが作成され、ハイブリッド構成ウィザードをインストールしたコンピューター上の以下のパスに出力されます。

%appdata%\Microsoft\Exchange Hybrid Configuration

簡単に内容についてご紹介しますと、yyyymmdd_xxxx.log にはハイブリッド構成ウィザードで実行した内容 (どのサーバーに接続して、どんなコマンドを実行したのかなど) が出力されます。
ただ、コマンドまでは確認できても、指定されたパラメーターや値までは出力されません。
そこで必要になるのが yyyymmdd_xxxx.xhcw のログで、実行されたコマンドや指定されたパラメーター、値が出力されますので、実際にどのような変更が行われたかを確認するにはこちらのログが有効です。
 
yyyymmdd_xxxx.xhcw のログの見方
それでは、yyyymmdd_xxxx.xhcw のログの内容を見ていきましょう。
yyyymmdd_xxxx.xhcw はテキスト エディタで開いていただければ、内容を確認することが可能です。
以下は実際にハイブリッド構成ウィザードを実行した環境のログとなります。

+++++++++++++++++++++
<invoke start="06/09/2016 23:06:20.557" duration="279" type="OnPremises" cmdlet="New-RemoteDomain">
<!--New-RemoteDomain -Name 'Hybrid Domain - test.onmicrosoft.com' -DomainName 'test.onmicrosoft.com'-->
+++++++++++++++++++++

1 行目にある type には実行対象の環境 (オンプレミスの場合は "OnPremiss" 、Exchange Online に対して実行された場合は "Tenant") が、cmdlet には実際に実行されたコマンドが記録されます。
つまり上のログでは、オンプレミスの Exchange に対して、New-RemoteDomain が実行されたことを示しています。
そして、2 行目にはパラメーターや指定した値を含めたコマンドが出力されますので、設定された内容などについてはこちらをご確認ください。

なお、上記のログは見やすいように整形しており、実際にログ ファイルを開いていただくと、”<parameter name=xxxxx/>” や “<property name=xxxxx>” 等のその他の情報も多く出力されています。
改行も無いため読みにくいところはありますが、上記のように実行されたコマンドを確認したい場合は、”<invoke start=” などを目印にご確認いただければと思います。
※ XML 整形サービスや XML エディターなどで改行やインデントを付けた形で整形できる場合などもあるので、よろしければお試しください。

今回のご案内は以上になります。
今後とも宜しくお願いいたします。

 
※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。