インプレース アーカイブ

原文の記事の投稿日: 2012 年 9 月 26 日 (水曜日)

Exchange のインプレース アーカイブは、多くの組織にとってこれまでにない考え方です。テクノロジの考え方の変化によって、さまざまな疑問が生じます。セキュリティに関する疑問もあれば、テクノロジに関する疑問もあります。ここでは、多くの疑問に答え、Exchange アーカイブが満たすことができる高度なビジネス要件とコンプライアンス要件について理解していただければ幸いです。

これまで 10 年以上にわたって、ユーザーのコンプライアンス、データ管理、および電子情報開示のニーズを満たすために、電子メール アーカイブが使用されてきました。組織は、社内またはサードパーティ サービスの別個のリポジトリにデータを引き渡し、コンプライアンス担当者は "その場所" にいると言ってきました。これは、通常、Exchange 上で実行されるジャーナル エージェントで行われて、トランスポートのメッセージがキャプチャされます。残念なことに、今日のビジネスの形態は 10 年前とは大きく異なります。Exchange 内の貴重な情報は電子メールだけでなく、予定表アイテム、連絡先、タスク、RSS フィードなども含まれます。組織にとって Exchange データのジャーナルだけでは不十分であり、Exchange Server 2010 および Exchange Online で、私たちはモデルの変更 (英語) に取りかかりました。新しいインプレース機能により、コンプライアンス プラットフォームの機能が拡大する一方で、エンド ユーザーおよび管理エクスペリエンスは簡単化されています。

コンプライアンスに関して言えば、データが不正に改ざんされず、変更されていないバージョンで取得できることが最優先です。これまでは、Write Once Read Many (WORM) 記憶域が使用されてきました。残念なことに、このようなメディアへの書き込みには欠点があります。記憶媒体は、紛失、損傷、必要な期間存続できないおそれがあります。また、管理プロセスにも課題があります。メディアは分類し、定期的に破棄する必要があります。Exchange により、インプレース保持 (以前の訴訟ホールドまたは法的情報保留) を利用して、関連するデータを簡単にキャプチャできます。この機能を有効にするために、IT スタッフの力を借りる必要はありません。コンプライアンスまたは HR スタッフに完全に委任できます。すべての変更と編集がキャプチャされ、コンテンツは変わらずに保持されます。データのコピーを複数保持できるように展開可能なデータベース可用性グループ テクノロジによっても、必要なときにデータが存在する確実性がさらに増します。

一般に、組織で大量の電子メール データを管理するには、慎重な計画が必要です。別個のリポジトリにデータを配置することは、一見すると、Exchange の負担を減らすように見えます。しかし、インフォメーション ワーカーは、最近のアイテムだけでなく、すべての電子メールにすばやく簡単にアクセスできることを望みます。このようなユーザーと管理者は、新しいインターフェイスと管理ツールを習得する必要があります。つまり、トレーニングやコストは増し、生産性は失われます。その上、このようなサードパーティ アプリケーションの記憶域の管理では、通常、多くのリソースを使用します。Exchange では、インプレース アーカイブ (以前の個人用アーカイブまたはオンライン アーカイブ) がこのデータを格納でき、ユーザーが日常的に使用しているツールである Microsoft Outlook や Outlook Web App でこれにアクセスできます。Exchange によって柔軟性も高まります。組織は、このデータの保存先として社内またはクラウドを選択できます。Exchange Online Archiving (英語) (EOA) を使用して、各自のインプレース アーカイブのみをクラウドに保持することさえできます。

組織は、電子情報開示の要求に迅速に対応する必要があります。Exchange には、データをインプレース保持に置いたり、検出したりするための完全に統合されたツールセットがあります。組織が必要とするすべてのツールが、ユーザーが既に使用しているツールに組み込まれています。Exchange のインプレース保持には、使いやすいというだけではない、いくつかの優れた利点があります。ユーザーに対して完全に透過的であり、通知を受けることができます。さらに、アイテムが保持されると、あらゆるものがキャプチャされます (英語)。つまり、フォルダー階層を含めて、編集、削除、およびアイテムに関連するメタデータがキャプチャされます。組織によっては、ユーザーに関するすべてのものを一定期間以上 (30 日、7 年、またはそれ以上) そのまま保持する必要があります。このようなニーズを満たすために、Exchange には、ローリング保持または時間ベースのインプレース保持という機能が組み込まれています。必要な保持期間が不明な場合、有効期限を設けずにインプレース保持を設定すると、アイテムを無期限に保持することができます。

Exchange では、委任されたユーザーが、ほとんどの組織に存在する多くのメッセージ データを検索できます。特別なツールは不要で、Exchange では電子情報開示をネイティブに実行できます。1 つの場所から社内、Exchange Online、またはその 2 つの組み合わせのメールボックスを検索できます。検索は、使いやすい Web ベースのインターフェイスで行うことも、テクノロジに詳しいユーザーであれば PowerShell を通じて行うこともできます。そのクエリ結果はユーザーに表示されるので、必要に応じて微調整できます。特定のユーザー動作を詳細に調べる必要がある場合は、Exchange の監視機能を使用して、送信前および送信後のデータを解析できます。電子メールがその宛先に到達する前にコンプライアンスを満たすようにするには、特定の電子メール コンテンツのモデレートを、スーパーバイザー、人事担当、またはコンプライアンス責任者にルーティングして、承諾または拒否を求めます。組織によっては、送信後、ユーザーが社内要件や法的要件に違反していないことを確認する必要があります。そのような場合については、電子情報開示機能で、ユーザーの電子メールのコンテンツを検索できます。さらに、ランダム サンプリングが必要な場合は、ランダム サンプリング ツール (英語) を実行して、確認する割合分の電子メールを取得できます。

サードパーティのアーカイブ ソリューションから Exchange へ、ギガバイト単位、テラバイト単位、またはそれ以上のデータを移行することを思うと、気が遠くなるかもしれません。幸いなことに、従来のソリューションから Exchange にデータを移行するには、さまざまな方法があります。最初の方法は、コンテンツをメールボックス (たとえば、Exchange Server 2003/2007) に復元し、それを Exchange Server 2010 または Exchange Online に移行する方法です。このプロセスでは、変化の状態を管理するために、十分なデルタ記憶域が必要です。2 番目の方法は、サードパーティのアーカイブ データを .PST ファイルにエクスポートする方法です。その後、Exchange ベースのツール、つまり、PST キャプチャおよび new-mailboximportrequest を使用して、.PST ファイルをユーザーのインプレース アーカイブにインポートできます。3 番目の方法は、Microsoft パートナーのソリューションを使用して、サードパーティ アーカイブを Exchange のインプレース アーカイブに直接移行する方法です。

Spring Housecleaning ブログ (https://community.office365.com/en-us/blogs/office_365_technical_blog/archive/2012/04/06/spring-housecleaning.aspx (英語)) には、さらに多くのドキュメントがあります。

Ankur Kothari

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「In-Place Archiving」をご覧ください。