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OneNote を共有、共同作業、評価に活用

(この記事は 2015 年 5 月 1 日に Office Blogs に投稿された記事 Our secret weapon—OneNote for sharing, collaborating and assessing の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)

 

今回は、ノルウェーのシャテン小学校の教員であり、Microsoft Innovative Educator Expert を務める Steffi Svendsen 氏の寄稿記事をご紹介します。

21 世紀において、テクノロジの利用は教育の場で重要な役割を担っています。新しいツール、プログラム、アプリなどを導入する場合、適切なテクノロジを導入す ることでなく、単に新しいテクノロジに切り替えることに主眼を置いてしまえば、学校管理職や教員、生徒、保護者が圧倒されてしまうでしょう。しかし、本校 には秘密兵器があります。そう、OneNote です。

OneNote は最高の教育ツールで、新しい画期的な方法で使用できる便利なツールがたくさん揃っています。私は学校全体で OneNote の利用を進めたいと考えました。Office 365 を通じて OneNote ノートブックを簡単に共有でき、多くの有用な共同作業機能や評価機能が揃っているだけでなく、どんなデバイス上でも実行できます。

Office 365 はクラウドベースであるため、学校管理職が OneNote ノートブックを共有し、リアルタイムで連携しながら学校運営を行うことができます。本校の学校管理職は OneNote を使用して時間を有効活用し、空いた時間を本分である授業と学習に費やせるようになりました。

管理職は業務を効率化して学習への影響力を拡大

学校管理職は「運営ミーティング」ノートブックで次のミーティングの議題、メモ、ドキュメントを共有します。これを基に教職員はミーティングの準備を行い、直接参加できない場合もオンラインでミーティングの内容を確認できます。

もう 1 つの便利なツールが OneNote に送る機能です。チーム リーダーの私は、Outlook から共有の OneNote ノートブックに直接メールを送信してチーム メンバーに常に最新の状況を知らせたり、Outlook でタスクを作成して特定のメンバーに割り当てたりします。この方法なら、全員が何をいつまでに終わらせなければならないのかを把握できます。

学校管理職が教員に関与することの重要性は、調査によって明らかになっています。Viviane Robinson 教授と Margie Hohepa 博士 (2009、英語) によると、効果的な教員研修を推進し、参加することで、学校管理職が生徒に及ぼす影響力は倍増します。本校の学校管理職が OneNote を使用するようになってからは、ミーティングを効果的かつ円滑に行えるようになったことでリーダーシップが高まりました。現在では、教員研修に取り組み、 話し合うだけでなく、実際に参加する時間的な余裕も生まれています。学校管理職の変革を通じて、本校の教員、生徒双方の学習が強化されたのです。

教員は協力して授業内容を計画

本校では、学年ごとに教員のチームを形成しています。OneNote の使用を開始して以来、共有の「チーム」ノートブックを作成して共同作業を行うことで、教員はさらに時間を有効活用できるようになりました。チームごとに ノートブックを作成して、授業計画、時間割、カリキュラム、生徒に関する情報、行事、毎週のチーム ミーティングの情報などを共有しています。

OneNote の「チーム」ページ。毎月新しく作成されるメイン ページには、行事、ミーティング、不在予定などの概要が表示され、その月の週単位の予定表にリンクされています。

時間の節約という点では、OneNote の検索エンジンをたいへん重宝しています。組み込みの検索機能ではキーワードやテキストだけでなく、音声ファイルや動画ファイルに含まれる単語まで検索で きます。授業を録音または録画している場合に便利です。また、検索対象を広げたり絞り込んだりすることも可能です。

「先生シート」を生徒用のコンテンツ ライブラリとして使用

学校で Office 365 を使用するようになると、OneNote ノートブックを生徒と簡単に共有できるようになったため、読み取り専用の「先生シート」ノートブックを作成しました。このシートは教員と生徒の時間節約に 大いに役立っています。教員は授業計画、連絡事項、宿題、ワークシート、解答集、グループ概要などをこの共有ノートブックにコピーし、生徒は特定のページ をコピーして自分のノートブックに貼り付けます。授業を効果的に進められるようになり、生徒は教室での課題への取り組みにたくさんの時間を割けるようにな りました。これもまた、生徒の学習成果に重要な影響を与えます。

OneNote の「先生シート」ノートブック。すべての科目や学年の OneNote ページには、目標、課題の一覧、要件、評価基準などが含まれます。

OneNote とカスタム タグを評価に使用

各科目や学年で形成的評価を導入することで、生徒の学習状況を把握し、継続的にフィードバックを返すことができます。OneNote は形成的評価に最適なツールです。教員はいつでも生徒の共有ノートブックにアクセスして、生徒が現在取り組んでいる課題や進捗状況、学習目標を達成するた めに教員のサポートが必要な内容を確認できます。

また、生徒自身による自己評価を行い、メタ認知能力を育成し、自身の学習プロセスを認識させることが重要だと考えます。学校で自己評価の方法を指導 することは、生徒の将来のためにもなります。新しい学習活動に取り組む際に自分の成果を常に把握する方法や、新しい目標を達成する方法を学ぶ必要がありま す。そのため、目標の達成度を自分で評価できるようになることがきわめて重要なのですが、OneNote を使用すればこれがずっと容易になります。

シャテン小学校では、「Two Stars and One Wish (優れた点を 2 つ、改善してほしい点を 1 つ指摘する指導方法)」の評価によって生徒の提出物に対するフィードバックを行い、生徒どうしの評価と自己評価を促進しています。

また、カスタム タグを使用して学習目標の達成度を評価しています。

この 2 つの手法は学習評価に役立つだけでなく、フィードバックをもっと視覚的に把握するためにも有効です。

OneNote を使用した生徒の共同作業

生徒は作成、共有、共同作業を定期的に行っています。ここでは、本校の 7 年生による OneNote の活用法をご紹介します。

生徒たちが教員の力を借りながらグループ プロジェクトで共同作業を行った OneNote ページ。

ストーリーボードを作成した共有ノートブック。グループ プロジェクトではプロジェクト用の共有ノートブックを作成して、全員がアクセスできるようにしています。

評価やフィードバックの例。伝記プロジェクトの開始に先立ち、生徒は伝記を読み、Two Stars and One Wish の評価手法で内容を評価しました。生徒は自分がそのように評価した理由を考えることができます。この画像の左半分を見てわかるように、この生徒の提出物は 詳しく具体的に記載されており、その点が高く評価されます。

保護者との共同作業

共同作業や評価には生徒の保護者も参加します。たとえば、私は OneNote で保護者面談の準備をしています。この手法は非常に効果的で時間の節約になり、整理された状態で画面上に視覚的に表示できます。面談終了時には、 OneNote と Outlook の連携を利用して保護者に評価を直接送信します。評価、フィードバック、生徒の進捗状況、次の目標、保護者と生徒からのコメントなど、保護者面談で使用し たメモをすべて共有できます。

このように、OneNote は秘密兵器として活躍しています。今回ご紹介したのは、OneNote を教育現場で利用する方法のほんの一部です。この他にも数多くの用途にご利用いただけます。