ビジネスプロダクティビティ製品チーム

Office 関連製品群を担当するプロダクト マネージャーが最新の情報をご紹介します

April, 2012

  • フレキシブル ワークスタイル実現のポイント (6) ~セキュリティと生産性のバランス

    ワークスタイルのフレキシブル化、つまり働く場所を固定しないモビリティの推進によって、セキュリティに不安を感じる方も多いことでしょう。事実、会社支給のノートPCを外部に持ち出せない企業は多いですし、USBメモリーやオンラインストレージの利用を技術的に制限している企業も少なくありません。しかし、別のトピックなどでも述べられているように、クラウドや仮想化、あるいはOSレベルやファイルレベルでの暗号化など、現在 「利用を制限」 しなくてすむ様々な技術的解決手段が提供されています。

    一方で、技術では解決しようのない問題もあります。そのため、これらを一括りに考えてしまうことで、トータルとして不安をぬぐいきれない結果となり、過剰にリスク回避的になっている企業が多いように思われます。この様相は、今から10年以上前、インターネット黎明期における電子メールに対してセキュリティ上の懸念を訴える企業が多かったことを連想させます。

    電子メールに対するセキュリティ観

    かつて社内から外部に対して電子メールを送信できない企業は、金融機関を中心に少なからず一定期間存在しました。当時の論点は、電子メールを伝送経路のどこかでインターセプトされてしまった場合に内容の閲覧を防ぐことができない、であるがゆえに善意、悪意に関わらず内部からの情報漏えいを防ぐために電子メールの送信を禁止するというものでした。この論点の課題部分は技術的には間違っていないわけですが、ご承知の通り、今ではそのような企業はほとんどありません。

    一方で、前述の課題をすっきり解決してしまう方法、たとえばS-MIMEによるメッセージの暗号化などを必須にしている企業は今どれぐらいいるでしょう?もちろんこのような技術を導入するには、互換性や金銭的な問題を乗り越える必要があるわけですが、論点が間違っていないわけですから、もっと利用していてしかるべきでしょう。しかし、電子メールの普及率に比べて、電子メール セキュリティ向上技術の普及率は大きく劣ります。つまり、多くの企業においては、

    • 電子メールの外部発信を禁止するのはビジネス上マイナスである
    • セキュリティ問題の技術的解決に必要な投資は、受けるリスクに見合わない
    • 技術より運用や教育など別の手段で��バーするほうがリーズナブル

    という判断を下したということです。

    情報の出口管理は効率が悪い

    情報漏えい事故の多くは、実は相当な割合で 「紙」 が媒体となっていますし、また多くは 「意図しないミス」 によるものです。つまり、情報全てをデジタル化し、システムにより綿密にプロセスをコントロールしたほうが、これらの漏えいを防ぐことのできる可能性はむしろ高まるといえますし、コストや環境にも適切です。たとえば、当方は仕事柄、外部のパートナー企業の方から提案書やカタログデータなどを頂きたい場合があるのですが、USBメモリーを利用できなくしている企業の方が相手だと苦労します。本当ならその場でデータを受け取りたいのですがそれはできず、サイズが大きすぎて先方からのメール送信ができないため、オンラインストレージを利用するかあきらめるかのどちらかです。そのような企業の方はあらかじめ印刷物としてお持ちされることが多いのですが、当方は紙の書類を保管しておく場所など用意していませんので、スキャンしてすぐに廃棄することになります。紙と手間の無駄遣いでしかありません。情報の出口ですべての情報をいっしょくたに制限するからこのような面倒なことになるわけで、情報の種別ごとに発生地点の入口で管理すれば、もっと生産的でシンプルにできるはずです。

    そもそも、セキュリティ レベルを 50% から 60% に上げるのは比較的容易ですが、90% から 95% に上げるのには莫大なコストがかかります。セキュリティにかかるコストには、その導入費用だけではなく、それによって低減する生産性の分も含まれることに注意が必要です。さらにセキュリティ レベルを100% にするのは事実上不可能です。

    そうであれば、情報の機密度をいくつかのポートフォリオに分類したうえで 「入口側」 で管理するのが当然でしょう。高いレベルのポートフォリオに対しては2重3重にしっかりと鍵をかけるなど万全の対策を施し、低いレベルのポートフォリオに対しては誰が持ち出したかのトラッキング程度の生産性を阻害しない基本的なテクノロジーの適用と、従業員教育や漏えいしてしまった後の迅速な対策によってカバーするというように、リスク マネジメントによる投資の最適化が必要です。そうすれば、最適なコストで生産性を下げずにセキュリティ対策できます。こうした議論は目新しいものでもなんでもないはずなのですが、一向に改善しないのは、マネジメント不全としか言いようがありません。むやみに怖がることで、それがどれだけの機会損失を生み出しているのかを正しく理解すべきです。

    生産性強化は待ったなし

    スマートフォンやスレート型デバイスは、コンシューマーの世界では普及しつつあり、ビジネスの世界においてもそれをどう活用できるのかの議論が進んでいくことでしょう。マイクロソフトからもやがてWindows 8やWindows Phone 8がリリースされます。こうしたテクノロジーの進化により、制約のない企業はその生産性をどんどん向上させ、新たなビジネス スタイルや新たなビジネス モデルを生み出していくことになります。

    この大きな流れの中で、無用な心配による過度な萎縮は、致命的な競争上の不利になりかねません。ビジネス活動は投資である以上、リスクとリターンのバランスの問題であり、セキュリティ問題もその一部です。セキュリティは、生産性をもたらすワークスタイルに対して、そのリスクを最小化するための手段です。セキュリティを基準にワークスタイルを合わせるのは本末転倒であることを認識する必要があります。

  • 未来のプロダクティビティの世界

    今回は、Microsoft Technology Center (MTC) の品川移転に伴いポストされました記事をご紹介いたします。

    オリジナル記事:
    http://blogs.technet.com/b/microsoft_japan_corporate_blog/archive/2012/04/11/3491426.aspx

      皆さん、こんにちは。Officeビジネス本部の Roan Kang(ロアン カン)です。

     待ちに待ったお花見シーズンが到来し、私も例外にもれず、先週同僚や友人と花見に出かけました。満開の桜の下に座り楽しい時間を過ごしていると、友人の一人の電話が急に鳴りました。取引先からの緊急の連絡だったようで、彼女は書類を確認次第すぐに連絡すると相手に答えると、オフィスにも戻らず、Windows® Phone上でExcel®ファイルを開き編集したのち、クラウド上へ保存しました。彼女に尋ねると、にっこり笑ってWindows PhoneやOfficeのクラウド製品のおかげでいつでもどこでも好きなように仕事ができると自慢気に答えました。

     このような例をはじめ、Microsoft® Office 2010やOffice 365といった製品に対して、お客様やパートナー様から高い評価を頂いています。(Office 2010は全世界で毎秒一本のペースで販売されています) 昨年の東日本大震災以降、お客様の多くがBCPやリモートワーク、節電、リスク管理、セキュアデータバックアップなどの観点からOffice 365などのクラウドソリューションへ興味を示しており、Office 365は昨年6月の正式サービス開始後のわずか5ヶ月間で前製品に比べ10倍のスピードで顧客数が伸びています。

     ここで素晴らしい事例を一つ紹介します。豊かな自然環境と観光資源に恵まれ、県内全域に光ファイバー網が敷設されるなど先進的な ICT 環境を有する一方、65 歳以上の高齢者が半数以上を占めるいわゆる「限界集落」が全集落の 35% 以上を占めている徳島県では、ICTを活用した庁内業務や遠隔地間コミュニケーションのためOffice 365 のMicrosoft Lync® Onlineを活用、クラウド型のビデオ会議サービスで拠点間を結ぶことで複数拠点での職員の移動に費やされる時間やコストを年間約160時間、約650,000円削減しています。さらに県内の限界集落再生のための首都圏企業のサテライトオフィス誘致でも成果を上げており、Lync Onlineが首都圏本社とサテライト オフィスを結ぶ役割を担っています。(事例詳細

     このような素晴らしい事例に触れるのは、まさに毎朝仕事への意欲が増す瞬間です。私たちはまだ、テクノロジによってもたらされる人々の仕事や生活におけるプロダクティビティの変化の途中にいます。マイクロソフトが研究・開発分野において注力している「ナチュラル ユーザーインターフェース(NUI)」では、Future Productivity Visionビデオにもあるように、人々があらゆるシーンで音声やジェスチャーでデバイスを操作し、さらに自由に効率よくコラボレーションやコミュニケーションを図っています。 これらの世界は遠い夢ではありません。本日、マイクロソフトテクノロジーを基盤としたITソリューションのデモ、ソリューション体験ができる「マイクロソフト テクノロジー センター(MTC)」を、品川本社オフィスへ統合し、新たに開設、運営開始しました。最新のデバイスやデモ環境による、ビジネスプロダクティビティ、フレキシブルワークスタイルといったシナリオを提供しています。 

  • クラウドをオフラインで利用する

    クラウドはインターネットの向こう側からサービスを持ってきてそれを利用する形態が中心です。当然、ネットワーク接続が前提です。ネットワークが切れているとインターネットの向こう側からサービスを持ってくることが不可能だからです。

    クラウドサービス専任ベンダーでも最近ではこの状況に不便さを感じてオフライン環境での対応を提供し始めています。

    マイクロソフトのクラウドサービスは初めからオフラインに対しては大変強力なソリューションを用意しています。ここでは、そのいくつかのパターンをご紹介します。

    Outlook で実現するオフラインメール、スケジュール環境

    Microsoft Outlook をご利用のユーザーであれば、Outlook  をオフラインでご利用になったことがあるでしょう。Exchange
    Online と Outlook を利用する場合、基本的には
    Outlook はオフライ���で利用するための特別なファイルをローカルPCに持ちます。それによって、仮にオフラインであってもメールを読むことが可能ですし、メールの返信を書くことも可能です。返信メールは当然オンラインになった時に送信されます。また自分のスケジュール、タスクや連絡先などももちろん確認が可能です。

    こちらの画面は Outlook の画面ですが、ここで表示されているものはすべてオフラインで表示可能です。


    SharePoint Online の資料をOutlook を通してオフラインで活用

    Outlook には、SharePoint Online と連携する強力な機能があります。SharePoint Online のライブラリには、画面のようなOutlookと接続というボタンがあります。

    これをクリックするとOutlook にこのSharePoint
    Online のライブラリと同期をするフォルダが出来ます。これはリンクではありません。Outlookのフォルダで、ライブラリと同じコンテンツをローカルに持ちます。もちろん自動的に同期を取ります。ローカルに持っているので、ネットワークが切れている時にも利用可能です。ネットワークがつながれば自動的にライブラリと同期を取り、両方を最新の状態にします。

    SharePoint Workspace の活用

    Microsoft Office Pro Plus にはSharePoint Workspace というアプリケーションが含まれています。このアプリケーションは、その名の通り、SharePoint
    と連携するアプリケーションで、SharePoint Online のライブラリと自動同期する機能を持っています。

    先ほどと同じスクリーンショットですが、赤枠で囲った部分に
    [SharePoint Workspace と同期]
    というボタンがあります。これを押すことでSharePoint Workspace にSharePoint
    と同期されているローカルに保存しているフォルダ群が出来ます。これはファイル自体はローカルに保存されているのでやはりオフラインでの利用が可能です。もちろん、オンラインになった時に自動的に同期する機能を持っていますので、安心して便利に利用可能です。

    まとめ

    このように、Office 365 にはユーザーの利用ニーズに応じていくつかのオフラインシナリオが用意されています。クラウドサ-ビスの弱点であるネットワーク切断時の業務推進をはじめから予定して設計されているので、安心してご利用いただけます。

    http://www.microsoft.com/japan/office/365/

  • クラウドにおいて柔軟性が重要な理由

    (この記事は Whymicrosoft.com に 2012 年 4 月 4 日に投稿された記事の翻訳です)

    私にとってガソリンの節約は重要です。しかし、新車を購入するとしても、電気自動車は選びません。プラグイン ハイブリッドにします。これは、一言で言うなら、柔軟性のためです。

    常に私が車のバッテリーに充電できる場所にいるとは限りません。たとえ充電できなくても、立ち往生したくはありません。ガソリン エンジンをオフにして自動車を走らせられるように、ハイブリッド モードに戻せるオプションが必要です。この柔軟性が、生産性を維持するために重要なのです。

    同様に、生産性を最大限に高めるために、または情報リソース資産およびコストを最適に管理するために、多くの組織には、クラウドへの柔軟なアプローチが必要になります。組織のニーズと目標は、それぞれ異なります。多くの場合、Google が提供するような「全か無か」というアプローチはまったく機能しません。

     

    クラウドへのハイブリッド アプローチを選ぶ理由
    Google は、企業の意向とは関係なく、一度にクラウドに移行するよう企業に求めますが、マイクロソフトはこれとは異なり、最大限の柔軟性を組織に提供します。企業は、そのすべてのアプリケーションをクラウドに移行することも、一部だけを移行することもできます。クラウドに移行するアプリケーションと自社運用を維持するアプリケーションを選択できます。また、移行は各自のペースで進めることができます。

    一部の企業にとっては、クラウドへの完全な移行がビジネス上最も有効ですが、他の多くの企業にとっては、まったく有効ではありません。実際、あるクラウド コンピューティングに関する調査によると、CIO の 45% がクラウドへのハイブリッド アプローチが最善の選択だと考えています。

    ハイブリッド アプローチが最適に機能するシナリオは多数あります。企業によっては、独自のペースで移行したいと考えています。組織全体に導入する前に、一部のユーザーで試験運用することを望む企業もあります。多くの組織では、既存の投資を活用しながら、新しい状況にクラウドを採用することを望んでいます。たとえば、既存のシステムを総入れ替えすることなく、現場作業員に IT を利用させる安価な方法としてクラウドを使用する場合もあります。あるいは、企業を買収したときに、新しい企業を統合するコスト効率の高い方法として、クラウドを採用する場合もあります。

    自社運用環境から物理的に離れているリモート
    ユーザーに対するサービスを改善するために、クラウドを使用する場合もあります。また、複雑な法的要件を抱える企業では、一部のアプリケーションにはクラウドを活用しながら、その他のアプリケーションはコンプライアンスやセキュリティのニーズを満たすために自社運用を維持することもあります。

     

    現場スタッフに最新のテクノロジを提供
    例として、ローム市を取り上げます。ジョージア州北西部に位置するこの市では、クラウドを使用して、電子メールを警察および消防士に配信しながら、他の職員には自社運用の Microsoft
    Exchange でサービスを提供することを希望していました。市の IT グループは、現場スタッフへの Microsoft Office 365 の導入が、新たにネットワーク接続を構築するよりも簡単であると判断しました。さらに、ホストされているソリューションの Web ベースのインターフェイスは柔軟性に富んでいるため、現場作業者は自身の電子メール アカウントを確認するモバイル デバイスを選択できます。市の情報技術責任者の Johnny Bunch 氏は次のように述べています。「このハイブリッド ソリューションは、ローム市の環境にぴったり合っているので申し分ありませんでした」

    Office 365 を少人数のユーザーに導入することにより、ローム市は、組織全体にクラウド ベースのサービスを導入する前に評価を行うことができました。「ユーザーのスキル、データの漏えい、その他の法的な問題に対する不安のため、アプローチには非常に慎重になっていました」と Bunch 氏は述べています。「クラウド ベースのシステムを市全体に展開すると決めた場合に、どのような問題がクラウド環境で発生するか、またこれらの問題をどのように処理すればよいかを調べる必要がありました。どのような事態になるかを把握したかったのです」

     

    買収した企業の統合
    MedcoEnergi Internasional 社は、さまざま理由からハイブリッド アプローチを選びました。同社は、インドネシアに本社を構える総合エネルギー企業であり、小規模企業の売買を繰り返しています。同社は、本社では Microsoft Exchange、SharePoint Server、および Lync Server の自社運用展開を維持し、新しい企業を買収したときに新しい従業員をそのメッセージングおよび共同作業ソリューションに移行するための簡単な方法を作り出す必要がありました。

    Office 365 を利用することで、MedcoEnergi 社は、その既存のインフラストラクチャから利益を手にし続けながら、管理コストを削減できました。「当社の拠点の多くで、Exchange Server を稼働している自社運用サーバーを完全になくした結果、管理作業が大幅に減りました」と、MedcoEnergi Internasional 社のインフラストラクチャ サービス担当マネージャーである Cecep Saefudin 氏は述べています。「それだけではありません。新しい企業を買収したときに、その場所にハードウェアを追加して展開しなくて済みます」

     

    一部のアプリケーションを自社運用で、その他はクラウドでホストする
    スカンジナビアの食品、エネルギー、農業の分野で最大グループの 1 つであるLantmännen 社は、スウェーデン人の農場主によって所有され、10,000 人以上の従業員を抱えています。同社は、従業員のコミュニケーションの標準化を進める一環として、メッセージング、コミュニケーション、および共同作業をクラウド ベースのソリューションに移行させることで、コストを削減する必要がありました。同社は Office 365 を選びました。

    従業員のそれぞれのニーズを見てみると、一部の従業員にはクラウド内のアプリケーションを介して、一部の従業員には自社運用のアプリケーションで、適切にサービスを提供できることがわかりました。「���ーム サイトの一部をクラウドに移行する予定ですが、複雑な用途には自社運用の SharePoint Server の使用を続けます」と、エンドユーザー サービス担当サービス マネージャーの Linda Westerback-Litzén 氏は述べています。

    同グループは、段階的な実装も選択しました。「さまざまな組織からさまざまな従業員を移行させる必要があるので、まず最大規模の従業員用メールボックスを移行します。こうすることで移行の経験を積むことができ、残りの従業員を移行する最善の方法がわかります」とWesterback-Litzén 氏は述べています。

    現代建築家のAnthony Lawlor 氏は、「柔軟性とは、水が表しているように生命のしるしであり、反対に、硬直化は死を示している」と言っています。マイクロソフトには、硬直化も、テクノロジの究極の選択もありません。代わりに、皆さんは広範なクラウド サービスで柔軟性を得ることができ、組織に最も適したサービスを判断することができます。