ビジネスプロダクティビティ製品チーム

Office 関連製品群を担当するプロダクト マネージャーが最新の情報をご紹介します

December, 2011

  • サービス稼働率 ー 数字の裏を読む

    (この記事は Whymicrosoft.com に 2011 年 12 月 22 日に投稿された記事の翻訳です)

    Office 365 プロダクト マネージャーの Kumar Venkateswar は、さまざまな Office 365 の高可用性機能や、Office 365 のサービス稼働率への取り組みについて説明しています。クラウド サービスの稼働率は話題になり、お客様にとってもきわめて重要なものですが、クラウド サービスを選択し使用しているお客様はこの稼働率についてもっとよく知りたいと思うでしょう。それゆえ、Office 365 サービスに関するドキュメントと「Google Apps SLA (サービス レベル契約)」から抜粋してこの投稿を作成しました。Microsoft Office 365 と Google Apps はどちらも 99.9% の稼働率の実現に向けて努力していますが、Google の取り組み方はお客様の観点からかけ離れています。実際に、クラウド サービスの稼働率を考える上での重要な基準は 7 つあります。

     

    1. 問題の影響を受けるユーザーの割合

    Google Apps のサービス レベル契約は、サービスの問題があるかどうかを決定するものです。つまり、問題であると見なされるためには、その問題が Google クライアントのユーザーの少なくとも 5% に影響を及ぼす必要があります。Google Apps の問題のうち、5% 以上のクライアントのユーザーに影響が及んでいないために、Google の稼働率の計算に加味されないものがどのくらいあるのでしょうか。これは Google が定期メンテナンスによるダウンタイムを都合よく隠すための手法でしょうか。

    マイクロソフトのサービス レベル契約では、1 人のユーザーに影響が及んでいる場合、クライアントの問題があると見なします。これは、Office 365 とそれぞれのマイクロソフトのオンライン サービスにも該当します。さらに、マイクロソフトは Office 365 のメンテナンスが予定されていれば、明確にお伝えしています。お客様は何が問題であるのかを決定し、メンテナンスによるダウンタイムがいつ生じるのかを把���できることを高く評価しています。

    2. 稼働率の計算に利用されている顧客

    Google はそのコンシューマー ユーザーと電子メール サービス ユーザーを、Google Apps for Business Gmail ユーザーの稼働率計算に含めています。これにより、Gmail の稼働率計算の結果は、それが含まれない場合よりも高い値になっています。

    Gmail の稼働率 (%) = コンシューマー ユーザーが利用可能な時間 + ビジネス ユーザーが利用可能な時間  X 100
                                                                               合計時間数 

    Exchange Online の稼働率 (%) =   Exchange Online をお客様が利用可能な時間  X 100
                                                                             合計時間数

    Google Apps のユーザーは 4 千万人ですが、2011 年 10 月の時点で 7 年目になる Gmail サービスのコンシューマー ユーザーは 2 億 6 千万人に上ります。Google は、ユーザー数が 4 千万人であるサービスの稼働率を計算するための基礎として 3 億のユーザーを利用しています。コンシューマー向け Gmail が利用可能な状態であれば、企業向け Gmail と Exchange Online が月単位で 724 時間のうち 30 分間利用不可能になっていても、計算式は次のようになります。

    Gmail の稼働率 (%) = (724 X 260)/300 + (723.5 X 40)/300  X 100 =  99.99%
                                                         724

    Exchange Online の稼働率 (%) = 723.5 X 100 = 99.93%
                                                     724

    Google がすべての Gmail ユーザーを含めてダウンタイムを調整しなければ、Gmail の稼働率は 99.93% となり、Exchange Online の稼働率と等しくなります。Google は稼働率が高く見えるように計算を操作しています。

    3. 稼働率計算に反映されるサービス

    Microsoft Exchange Online には Gmail で提供される以上の機能があります。Google が機能でこれに追いつくためには、Gmail、Google カレンダー、Google コンタクト、Google グループ、Google タスク、および Postini が必要になります。その上、Google カレンダーの停止が発生したとしても、Gmail  の稼働率計算に加味されません。Google コンタクトの停止が発生しても、Gmail の稼働率を左右することはありません。購入する場合はご用心ください。Gmail が主張する 2011 年の 99.99% という稼働率は、電子メールのみを対象とするもので、ユーザーが併用する機能は対象として含まれません。Gmail の稼働率は、Google Apps の全体的なパフォーマンスを測定する基準になるのでしょうか。私はそうは思いません。

    4. サービス レベル契約の対象となるクラウド サービスの数

    Office 365 サービス レベル契約は、SharePoint Online、Outlook Web Applications、Exchange Online、および Lync Online を含むオンライン スイート全体を対象としています。サービスのいずれかのコンポーネントでお客様に問題が発生した場合、マイクロソフトは、マイクロソフト オンライン サービスのサービス レベル契約の条件に基づいて問題に対処します。

    Google Apps ユーザーが Labs 機能、Google ボイス、Google+ ハングアウト、Google タスクなどを利用するサービスに関する問題に直面しても、これらの機能の問題は Google Apps の 99.9% の稼働保証の対象になっていません。このような機能の高可用性が重要である場合、お客様はリスクにさらされます。-- Google の顧客は、カスタマー ヘルプ センターを通じてしか、これらのサービスのテクニカル サポートを受けることはできません。

    5. 広範なプロダイバーにわたるクラウド サービスの停止回数

    興味深いことに、Google、マイクロソフト、および Amazon の稼働率実績はこれらのすべてで停止が発生しており、前途に問題があることを示しています。CNET の 2011 年 9 月 9 日の記事では、以下のようにまとめられています。

    「マイクロソフトに限ったことではないのは確かだ。Google でも大量のダウンタイムが発生していた。つい先だっての水曜日に、約 30 分間 Google Docs がダウンした。5 月には、ほぼ丸一日同社の Blogger サービスが利用できなかった。2009 年には、世界中で Google サービスのホストの一時的なダウンが発生した。先月上旬には、ほぼ一日中、世界中の多数の Yahoo メール ユーザーがサービスにアクセスできなかった。Amazon でもこの 1 年間に Elastic Compute Cloud (EC2) サービスで停止が発生していた。このサービスは多くの主要企業の Web サイトをホストしている。4 月に発生した停止により、Quora、Reddit などの顧客に影響が及んだ。先月発生したもう 1 つの停止では Netflix、Foursquare、Quora、Reddit がオフラインになった」

    6. プロバイダーがクラウドの提供のために投資している資金の額

    マイクロソフトは 2011 年、同社の研究開発費 96 億ドルの 90% をクラウド戦略に注ぎ込んでいます。マイクロソフトは適切なインフラストラクチャを整備し、可用性強化のために尽力しています。結局のところ、お客様へのサービス提供における 30 年の経験と、データ センター サービスの提供における 22 年の経験を活かし、さらにマイクロソフトは世界中に分散しているデータセンター インフラストラクチャに投資しています。他社が同レベルの専門知識を得るにはある程度の時間がかかるでしょう。一方、Office 365 を利用し始めた有名なサービス会社が当社のサービスを使い始めたのも、このような投資であると言えるでしょう。

     

    「Office 365 環境の管理をマイクロソフトに任せたことで当社の IT リソースが解放されたため、他の業務分野により積極的に取り組むことができます。[マイクロソフトの] インフラストラクチャの回復力は、多額の投資なしには会社が単独で実現できるようなものではありません」

    --The Hongkong and Shanghai Hotels Limited、IT 担当ゼネラル マネージャー Shane Izaks 氏

    7. 生産性の低下に対するお客様への賠償の金額とタイミング

    Google Apps の顧客の 5% 以上のユーザーに対する月間の稼働率が 99.9% を下回った場合、このような顧客は 3 日を契約期間に上乗せされる形で、10% のサービス クレジットを受け取ります。Office 365 のお客様は、万一月間稼働時間が 99.9% を下回った場合には、影響を受けたユーザーが何人であっても、マイクロソフトから月額の 25% の返金を受け取ります。さらに、マイクロソフトと Google はどちらも稼働率の 99% と 95% の段階でそれぞれに賠償を行います。ここに詳細を記すことはしませんが、賠償はそれぞれにサービスの延長と返金という形を取ります。

    停止の発生時に生産性の低下に対する賠償として、マイクロソフトのお客様は翌月中に十分な返金を受けられることを高く評価していると思われます。一方、Google の場合、翌年になってから、返金のない比較的十分と言えないサービス期間の延長を受けることになります。

    はっきりしているのは、サービスの稼働率を計算し、稼働率に関する考慮事項に取り組むマイクロソフトの手法は、マイクロソフトが Office 365 のお客様を重んじていることを示しているということです。マイクロソフトの責任のある返金という方法は、強力なサービスの可用性を提供するための努力を表しています。

     

  • フレキシブル ワークスタイルを支えるセキュリティ (2) ~ マイクロソフト社員の場合

    前回のトピック「フレキシブル ワークスタイルを支えるセキュリティ (1) ~ 柔軟性と安全性は両立する」では、マイクロソフトが提唱する「フレキシブル ワークスタイル」の説明、そして実現を行うための阻害要因と安全に導入する方法、そしてそれを支えるテクノロジーについて解説をしました。今回は、実際にこれらのテクノロジーを日々実際に使っている日本マイクロソフト社員が、どのようにフレキシブル ワークスタイルを実施しながらセキュリティを確保しているのかについて、実例を見てみましょう。

    日本マイクロソフトの社員の IT インフラに対するセキュリティは、主にスマートカード機能付き社員証と Active Directory ドメインへの参加によって保たれています。また、ノート PC と Windows Phone 7.5 を会社から支給されています。会社の IT インフラへのアクセスは、これらの会社支給のデバイスから行われるのが普通ですが、条件を満たせば個人で持ち込んだ PC やスマートフォンを利用することも可能です。

    ソフトスキルでの対策

    セキュリティを確保したワークスタイルを実現するには、まず必要な知識をひとりひとりが身に付けている必要があります。従業員が日本マイクロソフトで新規に働き始めるに当たっては、まずセキュリティやプライバシーを確保するために必要な知識を習得する必要があります。社内の必要なリソースにアクセスし続けるには、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスに関する知識をチェックするためのオンラインテストに定期的にパスする必要があります。日本マイクロソフトではプライバシーマークも取得していますので、この制度に準拠した運用を行うために必要なトレーニングと試験も定期的に実施しています。

    インフラでの基本的な対策

    従業員が社内のITインフラにアクセスするに当たっては、社内ドメインへの参加が必須になります。Outlook 経由のメール、ファイルサーバー、SharePoint サイトや無線 LAN へのアクセスなどは、すべて PC をドメインに参加させて、ドメインにある自分のアカウントを使ってログオンをして行う必要があります。その際、ネットワークアクセス保護 (NAP) によりセキュリティポリシーの強制適用が行われ、セキュリティを守るために必要な以下のような対策が行われます。

    • 複雑なパスワードとパスワード定期変更ルールの強制適用
    • Windows Update の強制適用と必須のセキュリティ更新プログラムの定期監視
    • Forefront Endpoint Protection の強制インストール
    • 構成管理ソフトウェアの強制インストール
    • BitLocker によるハードディスクの暗号化
    • 一定時間経過後の自動的なスクリーンロック

    また、コミュニケーションや共同作業を行うためのソフトウェアとして、Microsoft Office 2010 のインストールも行います。これによりメールや予定を管理する Outlook、内線・外線電話とオンライン会議を使うために必須な Lync、そして共同作業や暗号化された機密情報も扱える Word、Excel、PowerPoint などの文書作成ソフトウェアが使えるようになります。ちなみに、機密情報については暗号化、転送禁止、保存禁止、印刷禁止などのポリシーを作成者/送信者が設定するInformation Rights Management (IRM) を利用することで不正に社外に持ち出されないようにコントロールしています。

    尚、これらの構成は、通常は従業員が自分で意識して行うのではなく、PC を支給されたら有線 LAN でネットワークに接続し、ID とパスワードを入力すると OS、必要ソフトウェアを自動的にインストールする仕組み (System Center Configuration Manager, SCCM) によって行われます。SCCM では、OS の展開と構成作業の自動化ソフトウェア配布の自動化ユーザー PC のセキュリティレベルの統一IT資産管理などをリモートから一括して行うことができます。

    個人PC については上記の条件を満たすようなスペックを持ち、構成するのであれば利用が許可されています。利用可能なデバイスについては、会社支給のデバイスかどうか (例: MAC アドレス等による制限) ではなく、ポリシーを満たせるかどうか、という視点から考えられているのがポイントです。

    社外からアクセスする際の対策

    社外から社内のITインフラにアクセスを行うには、Windows 7 Enterprise/Ultimate に搭載されている Direct Access を利用します。必要なツールは、社内ドメインへの参加時にインストールされます。個人 PC であれば、必要な OS の要件を満たしたうえで、一度社内でポリシーを満たすようにセットアップを行いイントラネットにアクセスできるようにしておきます。その上で、社外からのアクセス権限を持っている従業員は、BitLocker によるハードディスクの暗号化、および Direct Access のセットアップを行います。Direct Access のセットアップには社員証による認証が必須です。

    Direct Access で社外から接続されている間、NAP によりセキュリティポリシーが満たされているかどうかがリアルタイムで判定されています。パスワード期限切れ、セキュリティ更新プログラムの未適用など条件を満たさないことが検出されると、即座にアクセスが制限されるような仕組みとなっています。

    図1: ある公共ネットワークでアクセスが制限されたときの例


    内線電話については、Direct Access でつながっていれば社外から PC に接続していても PC で着信することが可能です。または、あらかじめ携帯電話に転送したり同時着信するようにしておけば、社外からも音声通話を行うことができます。

    また、社内 IT インフラにアクセスしなくても、エクストラネット用の SharePoint サイトも用意されており、こちらは ID とパスワードでログインが可能です。営業の汎用的な提案書など社外からのアクセスが重要でかつ機密度があまり高くない情報については、エクストラネットを使って情報共有しています。

    社外からのメールのアクセスについては、主に Windows Phone を使います。Windows Phone を利用する際は社内インフラにアクセスするのと同じ ID とパスワードを入れると、サーバー設定を自動で読み込みメールの送受信ができるようになるのと同時に、PIN 入力の強制適用も行われます。また、Outlook Web App から自分のデバイス一覧を管理でき、万が一紛失したときはリモートワイプをかけてデータを抹消するなどの対策も可能です。iPhone など他社製のスマートフォンであっても、前述のようにポリシーを満たせるように ActiveSync に対応したものであれば同様に利用が可能です。Windows Phone であれば、IRM のかかった暗号化メールも特別な追加の設定なしで利用可能になります。

    図2: Windows Phone で IRM を解読する仕組み

     

     

    「私物解禁」「ポリシー強制適用による管理」による柔軟かつ安全なITインフラ管理

    このように、従業員に基本的なセキュリティ教育を施しつつ、会社のインフラのしくみでポリシーが強制適用されるようにしておき、それを拒否すると必要なものが使えない状態にしておくことで、従業員は複雑な規則を覚えなくてもセキュリティが確保されたフレキシブル ワークスタイルを実施できます。フレキシブル ワークスタイルの実装にあたっては、従業員に意識をさせないインフラレベルでのセキュリティ確保をしておくことで、柔軟でかつ安全な運用を行うことが可能なのです。

    記事

  • 非公開のドキュメントを保護する

    (この記事は Whymicrosoft.com に 2011 年 12 月 8 日に投稿された記事の翻訳です)

    電子メールやドキュメントを同僚と共有するときに、機密保持を求めれば、同僚が情報を他者に開示することはないと信じています。それにもかかわらず、特にビジネス上の機密にかかわる情報は非常に興味深いものであることが多いため、どのような場合に魔が差して人がこのルールを破ってしまうのか、その例を報道において見ることができます。たとえば、Ad Age は昨年、Google 最大顧客の広告費を暴露した漏えい文書を受け取りました。マイクロソフトは、個人による漏えいからは解放されないものの、お客様と従業員に対して、電子メール メッセージとドキュメントが対象者以外に公開されないよう保護するためのテクノロジを提供しています。

     

    Information Rights Management

    Information Rights Management (IRM) は、ドキュメントおよび情報向けの Digital Rights Management と似ています。IRM によりユーザーは、コンテンツに対する権限を制限し、制限付きコンテンツの正規の受信者がコンテンツの転送、コピー、変更、印刷、ファクス送信、および投稿を行うのを防止できます。IRM を使用すると、Windows ユーザーはプリント スクリーンによる制限付きコンテンツのコピーを防止することもできます。

    Microsoft Word 文書のアクセス制御について、以下の画像で説明します。Word では、アクセス許可の権限を使用して、従業員に対して文書の表示を制限できます。受信者が文書の転送、コピー、印刷を行えないようにアクセス許可を設定し、文書を制限して正社員だけが文書にアクセスできるようにすることができます。これだけではありません。各 Office アプリケーションでも同様の制限を適用できます。

    Google Docs には Information Rights Management はありません。実際 Google 環境は、漏えいに対して隙だらけです。Google Docs では、ユーザーはドキュメントをオンラインで共有する相手を指定できますが、ドキュメントにセキュリティ設定を適用することはできません。他のユーザーは、ドキュメントのダウンロードと共有を好きな方法で行うことができます。ユーザーが Google Apps ドメインで作業している場合、そのドメインのセキュリティ設定が非公開になっているかどうかに関係なく、そのユーザーのファイルには、そのドメインのセキュリティ設定が既定で適用されます。このため、Google Apps ユーザーは、知らないうちにドキュメントを共有したり公開したりしている可能性があります。

    Microsoft Word Google Docs のドキュメントに対するアクセス制御の比較

    Googleドキュメントにさらにセキュリティーホール発見」および「Google Docs のセキュリティは企業データに十分なのか?」などの記事は、さらなるリスクを明らかにしています。Google Docs では、画像の所有者が画像を表示するためのアクセス許可を付与したかどうか、画像に対するユーザーの権限を無効にしたかどうか、または画像を削除したかどうかに関係なく、画像は別の URL で保存されるため、その URL を知っていれば誰でも画像を入手できてしまいます。知識のあるユーザーは、URL のリビジョン番号を変更して、古いバージョンの画像にアクセスすることもできます。企業の予算や損失額のグラフなど、機密性のある画像であった場合、情報がたやすく広まって、企業の信用を傷つけるおそれがあります。しかし、「これらの懸案事項のために、当社のユーザーに重大なセキュリティ リスクが生じることはないと確信している」と表明しながらも、Google はこれらのセキュリティ ホールの見直しを行いました。Google では、Google Docs の画像のセキュリティを非常に深刻なものとはとらえていないようです。

     

    電子メールに関する権限の管理

    マイクロソフトでは、電子メールでも IRM を利用できるようにしています。Office のアクセス許可設定によく似た一連のアクセス許可を使用して、Exchange から電子メールのアクセスを制限できます。許可する権限と許可しない権限を指定できます。たとえば、リスクと不利益を軽減するため、従業員が非公開の社内メッセージを許可なく社外に転送できないように、IRM を実装することができます。企業では、チームの非公開の電子メールをチーム内に留め、電子メールに含まれている企業秘密の機密性を保持することができます。Google では、このような機能はまったく提供していません。

    Microsoft Exchange での権限管理

     

    Information Rights Management については、一定の社内投資が必要になります。Information Rights Management は、すべての企業に適しているわけではありません。大規模組織では多くの場合、IRM の実装に時間を割き、そのメリットを活用しています。この機能に関心をお持ちの場合は、グループ ポリシーを使用して Office 2010 と Outlook 2010 に IRM 設定を行うことができます。また、SharePoint のお客様は、Live ID を使用してあるいは Rights Management サーバーを通じて、セキュリティを管理することを選択できます。

     

     

     

  • フレキシブル ワークスタイル実現のポイント (3) ~ Face-to-Face の ROI を意識する

    今回からは、物理的な場所への集合がもたらす価値を分解して明らかにし、それをどう代替していくのかの考察を進めていきたいと思います。

    何のために会社に集まるのか

    前回まで、時間管理や仕事の割り振りのために同じオフィスに集まる必要がある、ことが誤解であることを説明してきました。それでもなお集まる理由が残されているとすれば、それは 「同期性」、つまり同僚との情報交換の効率にあります。

    現代のビジネスでは、もはや 1 人で完結する業務などほとんど存在しませんから、同僚とのコラボレーションは必須です。コラボレーションにおいて情報交換はあらゆるステージで肝となる機能ですから、情報交換の効率はそのまま成果に跳ね返ります。

    情報交換の効率は、そのスピードと質からもたらされます。これらを上げるには、当たり前ですが、まず時間の共有が必要です。勤務時間帯、もしくはコミュニケーション可能な時間がずれていると、メールやメモなどの非同期なコミュニケーションに頼らなければならず、コミュニケーション完了までの時間は長くなり、またコミュニケーションが分断されることで、たとえば前の会話を思い出す時間などのオーバーヘッドがかかってしまいます。また、いかに一度に多くの情報を、正確に伝えられるかも重要です。情報伝達エラーがあれば手戻りが発生します。一度に伝えられる情報が少なければ、人の頭の中での情報処理スピードとの差が付きすぎてしまい、そこがボトルネックとなって全体の生産性が落ちてしまいます。これらが、同じ場所に集まりたくなる動機になります。

    言うまでもなく Face-to-Face コミュニケーションが、情報交換のスピードと質を実現するにあたり、最も優れた手段です。人と人との情報交換は、言語情報だけでなく、声色や間、表情や身振りなど、言語外情報もまた重要な役割を果たします。もちろん時間を共有していなければFace-to-Faceは成立しません。しかしこの贅沢をするために、どれだけのコストを支払えるのかを、よく考える必要があります。時間の共有や情報交換の質をある程度担保できる手段があるのならば、その組み合わせによって代替することも検討すべきです。

    日本企業では伝統的に、機能別組織構造をとってきたため、コラボレーション相手が同一部門や近くにいる可能性が高く、Face-to-Face は容易かつ十分にリーズナブルな手段でした。しかしこの傾向は近年変わりつつあります。スピード経営やリスク対策、サプライチェーンのグローバル化、今後の労働力確保のための多様性の許容など、組織の在り方や働き方が変わってきています。Face-to-Face実現のために払う犠牲のコストが、相対的に大きくなってきているのです。コミュニケーションのスピードを上げるために、コミュニケーションに至るまでのスピードを大幅に落とすなど、本末転倒なのは言うまでもありません。

    会議を見直す

    同じ場所に集まる、集合型のワークスタイルは、もはや十分なROIを発揮できない時代になりました。スピードと質とコストのバランスをいかに取っていくか、それをより効率的に実現するために IT を含むワークプレイスはどうあるべきか、を考える必要があります。その具体的な姿を、「会議」 を例にとって考えてみましょう。

    会議は、集合型コミュニケーションの典型と言えます。Face-to-Faceが必須要件ならば、自部門以外の人との複数人でコミュニケーションする場合には、おのずと会議を開くことになります。しかし会議の開催には膨大なコストがかかります。主要なメンバーが同じ時間、同じ場所に集まるためには、メンバー全員の予定と、さらに会議室の予定を合わせなければなりません。せっかくやるのだから、関係のある人をできるだけ巻き込みたくなり、それだけに事前準備や、さらにそのための事前ネゴが必要になります。せっかく参加したので何か発言をと思っても、主要メンバーでなければありきたりな報告ぐらいしかできません。1時間の会議が設定されていればなんやかんやで1時間使おうとするでしょう。結局、コア メンバーで15分程度話して結果をメールで告知すれば済むような内容でも、1時間かけて8割以上の人が発言しないような報告会議が実施されます。そして参加者や上司に報告するための議事録を誰かが書きます。ほとんどの人にとっての、ほとんどの時間が無駄に使われるわけです。

    もちろん、会議は会議で重要な場合もあります。たとえば長時間にわたるブレーンストーミングを、メールや電話で行うのはまず不可能です。しかし、日常の意思決定の大部分においては、今やスピードのほうが優先される時代です。時間とコストをかけて大人数の会議を、満を持して開くよりも、少数のコア メンバーのFace-to-Face + 非同期の情報伝達の組み合わせのほうが有利でしょう。ならば、それに沿ったオフィスと IT の在り方があるはずです。

    弊社でも実践していますが、たまたまオフィスにいる人同士の Face-to-Face をより効率的にするために、会議室ではなく、気軽に集まりディスカッションできるようなオープンスペースをたくさん作ったほうが、少人数での頻繁なディスカッションが加速します。離れた相手をディスカッションに加える必要があるときも、よく仕事をする同僚が相手ですし、Lync のようなPCベースのチャットで十分でしょう。インターネット経由で外部からもアクセスできますので、自分や相手の居場所を全く気にすることなく、どこでもコミュニケーションできます。必要な時に必要な人にすぐに呼びかけ、短時間で濃いディスカッションを行い、用が済んだらすぐ解散です。このスタイルがこなれてくると、次第に無駄な会議が減ってくるはずです。

    コミュニケーションのバランスを変えて効率を上げる

    会議は 1 つの例に過ぎませんが、集合型のワークスタイルにおいて必然だと考えられていた非効率が、コミュニケーション スタイルを変えることで解消することができるようになります。次回は弊社での実践スタイルを例にとって、そのポイントをいくつかご紹介したいと思います。

  • 投資対効果 321%、投資回収期間たった 2 か月! Office 365 のTotal Economic Impact

    マイクロソフトのクラウド グループウェアである Microsoft Office 365 ですが、一番気になるところは、「いったいこのサービスを導入するとどれくらい効果があるの?」というところだと思います。

    最近米国の市場調査会社であるForrester Research社が行った調査によると、「大変効果がある」という結果が出ています。この調査は中堅企業における “総合経済効果” (Total Economic Impact, TEI) について分析を行ったもので、この結果、中堅企業でOffice 365 を導入することによる投資対効果 (ROI) が 321%であり、投資回収期間は2ヶ月である、という結果になりました。

    この調査を行うに当たって、Forrester は中堅企業7社に対してインタビューを行い、これらの組織をベースにした “モデル組織” を作成しました。この “モデル組織” は 150 人の従業員がいて、モバイルワーカーがある程度の数所属しており、そのほかは本社や世界中の支社に所属している、といった設定になっています。2011年6月の調査では、3年間のリスク調整後の利益は9,400万円で投資回収期間は2ヶ月ということが分かりました。Office 365への2,200万円の投資により得られる正味現在価値は7,100万円と報告されています。

    この調査では、中堅企業が得ることができるであろうリスク調整前の利益についても、それぞれの効果を金額に換算した価値で表しています。

    1. ナレッジ ワーカーの生産性向上: 組織内の従業員全体で5,300万円の節減
    2. モバイル ワーカーの生産性向上: 3年間で1,400万円の節減
    3. ハードウェアの削減: 3年間で510万円の節減
    4. サード パーティ製ソフトウェアの削減: 3年間で80万円の節減
    5. Web 会議費の節減: 調査期間中で200万円の節減
    6. Microsoft のライセンスの置き換え: 調査開始時点で1,000万円の節減
    7. 節約された社内設置型ソリューションの計画と実装のための労務: 労働時間と構築費用が280万円の節減
    8. IT サポート作業の低減: 3年間で1,700万円の節減
    9. 出張費および対応する CO2 排出量の低減: 調査期間中で2,100万円、飛行機による出張分の47,000kgのCO2の節減

    インタビューを行った企業が Office 365 を実装した一番大きな理由は、グループウェアツールの総保有コスト (Total Cost of Ownership, TCO)の削減でした。調査対象になった企業のうちのある人は「クラウドベースのソリューションであるOffice 365の導入によって得られるコスト削減効果は、サービスの選択に十分な理由になる。これにより、会社の経費が節減され、私たちITスタッフは、より会社にとって価値があるビジネス上の課題に取り組むことができるようになる」と言っています。

    Forrester Research 社による調査結果の詳細をご覧になりたい方は、以下のリンクをご参照ください。

    別途大企業向けの調査結果も用意されています。

    ※文中で出てくる費用は、1ドル80円で換算されています。