ビジネスプロダクティビティ製品チーム

Office 関連製品群を担当するプロダクト マネージャーが最新の情報をご紹介します

July, 2011

  • Google の「フリー サイズ」という究極のアプローチ

    (この記事は Whymicrosoft.com に 2011 年 7 月 19 日に投稿された記事の翻訳です)

    企業のお客様とクラウドへの移行のメリットについて膝を突き合わせて話しているときに、最初にお客様が指摘する点は、これまで主要なIT の実装に対処してきた経験があるので、自身のペースで慎重に段階を踏んで移行したいということです。まさしく賢明なやり方です。慎重に計画し、リスクに対処することが重要です。しかし、クラウド生産性を提供するためのGoogle のアプローチは、実のところ「フリー サイズ」(1 種類ですべてをカバーする)というアプローチなのです。Googleは、生産性作業をクラウドで作成し保存するよう顧客に勧めますが、これが組織のビジネス ニーズを満たすのであれば問題はありません。

    実際、お客様が必要としているのは柔軟性です。帯域幅の制約、セキュリティ管理設定、オフライン アクセス、規制による制約、管理の強化などのために、ビジネスでは、そのソリューションに自社運用アプリケーションまたはデータを組み込む必要があります。これが、市場に参入してから約5 年経っても、Google Apps がOffice に代わるものとして普及する様子が見られない一因なのです。

     

    企業はクラウド オプションを必要としている

    ほとんどの企業にとって、Googleモデルは必要なレベルの柔軟性をまったくサポートしていません。実際、The Open Group が実施した世界各国の従業員が 200 人 ~ 5,000 人の組織における 307 人のクラウド専門家に対する調査から引用した次のグラフによれば、45%が要件に最も適しているモデルをハイブリッド モデルであるとし、20%がプライベート クラウド モデルであるとしています。パブリック モデル、つまりクラウドの顧客にサービスを提供するというGoogle のみのアプローチを選んだのは、組織の17% 過ぎません。

    どのクラウド展開モデルが組織のビジネス要件に最も適していますか?

    出典: The Open Group Cloud Computing Survey
    (The Open Group
    によるクラウド コンピューティング調査)
    2011 5 9

     

    企業ニーズへの適合

    一部の企業は、電子メールなどの特定の業務をクラウドに移行しており、多くの場合、会計などの他の業務は自社運用のまま維持したいと考えています。このこと自体はおかしなことではありません。多くの企業が、一部のアプリケーションやデータをクラウドに、他の情報を自社運用サーバーに格納するハイブリッド クラウド モデルに対応したソリューションを求めているだけなのです。実際、Fortuneは、企業のクラウドへの移行について次のように見ています。

    「クラウド コンピューティングは、企業の IT 戦略の重要な部分になっており、通常はハイブリッド (クラウド + 自社運用) モデルのコンピューティングで使用されています。このモデルでは、顧客は、データを社内に保持しながら、クラウドの迅速なソフトウェア開発スピードを活用し、さらに現行の社内ハードウェアおよびソフトウェアへの投資を不要にすることでコストを削減できるので、両方のメリットを活かすことができます。ハイブリッドの一般的な例は、クラウドでアプリケーションを開発およびテストしてから、社内ネットワークにリリースできるというものです」

     -- Fortune、Charlotte Dunlap

    段階的にクラウドへ移行すれば、組織はクラウド サービスまたはテクノロジの経験を積みながら、一部の機能を社内で管理することができます。一部のワークロードをパブリック クラウドまたはプライベート クラウドに移行して、“最適な”クラウド ソリューションを構築します。マイクロソフトが、パブリック、プライベート、およびハイブリッドのクラウド モデルについてお客様に自由にお話できるのは、これらのソリューションをすべて提供できるからです。このレベルの柔軟性を企業や機関に提供できるのはマイクロソフトだけであり、一度にすべてをクラウドに移行するように求めることはありません。

     

    段階的なクラウドへの移行

    専門企業であるMITIE にとって、イギリスを拠点にした56,000 人の従業員に対応するクラウド ソリューションを選択するときに重要だったのは、柔軟性があるということ、つまりこの場合は、一部の生産性アプリケーションを社内に保持しながら一部をクラウドに移行するというオプションでした。

    「Google Apps への移行は、クラウドか無かという究極の提案を受け入れることを意味していました。マイクロソフトでは、自分のペースで、都合に合わせてクラウドに移行できます。当社は急成長を遂げており、クラウド サービスへの移行を切望していますが、自らの運命は自らの手に握っておきたいとも考えています。マイクロソフトならば、希望する選択肢や柔軟性が得られるうえに、一貫性のある慣れ親しんだユーザー エクスペリエンスと、全幅の信頼を置いているプラットフォームというメリットを活用して、当社の企業ニーズを満たすことができます」

    -- David Aird、MITIE IT グループ責任者

    Google とマイクロソフトの案を評価した後、この企業は自社運用の Microsoft Office 2010 と合わせて、クラウドでマイクロソフト オンライン サービスを使用することにしました。競合他社との比較評価の詳細 (英語) については、MITIE の顧客導入事例で確認できます。

    Office のお客様との日々のやり取りで本当に嬉しいのは、どれだけ多くの人々が生産性向上のためにマイクロソフトの製品を使用してくれているかがわかることです。実際、企業のお客様が Office 2010 を導入する速度は Office 2007 の 5 倍に達しており、約 5,000 万人のユーザーが Office Web Apps を使用して、ブラウザーとインターネット接続を介してあらゆる場所から Office ドキュメントを表示、編集、共有しています。クラウドへの移行を考える企業や組織の増加に対応すべく、マイクロソフトは、慣れ親しんだ堅固な信頼の置けるツールを引き続き提供しながら、そのツールがクラウド、社内、あるいはその両方のどこにあっても、企業や組織が最適なモデルを選択できるように取り組んでいきます。

     

    Office 365 がお届けするクラウド

    お客様はクラウドのオプションに対する期待に胸を躍らせています。Office 365 パブリック ベータ版に申し込んだ企業の数は 200,000 を超え、Office 365 の発表以降は 25 秒ごとに 1 つの組織がサービスの試用版への登録を行っています。小規模企業は、以前に Google Apps を使用していた中核グループですが、ベータ版に登録した 70% 以上が Office 365 の使用を切望しています。

    あらゆる規模の企業がこれほど Office 365 に期待を寄せている理由の 1 つは、その共同作業機能にあります。これまで、一部の小規模企業は、ドキュメントでの共同作業の方法として主に電子メールの添付ファイルを使用していましたが、バージョン管理の問題に悩まされていました。Office 365 を使用すれば、簡単に同僚や顧客と同じページを使用し続けることができます。次のことが可能になります。

    • ファイルとドキュメントに対して同時に共同作業を行う。
    • インスタント メッセージングやビデオ会議を使用して接続を維持する。
    • 同僚や顧客とリアルタイムの仮想会議を行う。
    • チームのメンバーと予定表を共有し、PC、Mac、iPhone、Android フォン、BlackBerry スマートフォン、Windows Mobile、Windows Phones などの複数のデバイス上のメールおよび予定表にアクセスする。
    • 魅力的な Web サイトを作成して維持し、Word 文書のように簡単に編集する。

    Office 365 は、単にこれらの機能を提供するだけではありません。すべてExchange、SharePoint、Lyncなどの業界最高レベルのビジネス コミュニケーションおよび共同作業サービスに接続された、Word、PowerPoint、Excel、OneNote、Outlook
    などのユーザーが毎日利用しているOffice アプリケーションを使用して提供するのです。

    マイクロソフトが Office 365 について明るい見通しを持ち、マイクロソフトの生産性に対するアプローチが広く受け入れられると期待していても何ら不思議ではありません。

  • ビジネスを止めないための事業継続計画を考える

    (この記事は 2011 年 7 月 13 日に here IT is online に掲載された記事のクロスポストです)

    予期せぬ事態にも打ち勝つスタイルへ~止まらないビジネスのために IT ができること

    このたびの東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。今回の震災では、改めて多くの企業が、事業の継続性を確保することの重要性を認識する結果となりました。予期せぬ事態が起こったとき、ビジネスを継続できる体制を整えるためにできることは何か? 3 月 11 日のマイクロソフト自身の事例を交えながら、ご紹介します。

         

    今、改めて見直しが叫ばれる事業継続計画

    今回の震災は、被害が甚大であったため、多くの企業が事業継続への取り組みの見直しをする機会となったのではないでしょうか。

    予期せぬ事態に際してどのように対処し、事業を継続させるかを定めた「事業継続計画(Business Continuity Plan : 以下 BCP)」の重要性を、改めて感じられたことと思います。

    企業を経営していくうえで BCP 立案対象は多岐にわたりますが、経済産業省が策定したガイドラインによると、BCP では IT サービス分野は必要不可欠であると考えられています。

    『IT サービスの継続性を確保することは、必ずしも事業継続性を全て担保するものではないが…(中略)… IT サービスのマネジメント体制を事故前提の考え方に基づいて構築・維持していくことは、これからの安心・安全な社会の実現にとって必要不可欠である』
    (出典:経済産業省「IT サービス継続ガイドライン」1 ページ平成 20 年 9 月)

    2011 年 2 月に本社オフィスを品川に移したばかりの日本マイクロソフト株式会社は、このたびの震災により移転後わずか 1 か月で自らの BCP の効果を試されることとなりました。マイクロソフトの BCP がどのように機能したのか。震災当日のようすについて、施設管理を担当する総務と営業を統括するマネージャー、そして営業スタッフの 3 名から話を聞きました。


    マイクロソフトの 3.11 ~社員はどのように行動したのか~

    Case 1: IT によるリアルタイム コミュニケーションが支えた
    管理本部不動産・施設管理部 コーポレートリアルエステートグループ 長坂将光

    私は主に、施設の管理/運用を担当しています。所属は、多くの企業では総務部に当たると思います。震災当日、私は 26 階の会議室で同じ部の 4 名と会議中でした。地震発生直後、全員がノート PC を抱えながら、1 人を社長室へ向かわせ、残りは分担して各フロアの安全確認を行いました。ひととおり確認を終えたのが、最初の揺れから約 20 分後。そこで手持ちのノート PC を開き、Microsoft Lync のグループ チャット機能で状況の入力を開始したのです。

    全社員の PC には Lync が導入されていますので、インスタント メッセージ(以下 IM)機能の利用や、ユーザーの在席情報などがわかるプレゼンス機能で安否確認をするなど、以降のコミュニケーションの中心となりました。同じビル内だけではありません。仙台を含む支社の状況も、Lync で共有されました。社長室に向かった 1 人は、震災直後に立ち上がった緊急対策室に張り付き、Lync の情報を整理してほぼリアルタイムで経営層に報告する役割を担いました。

    翌営業日からは、本社の約 8 割の社員が在宅勤務に切り替わり、リモート アクセス環境を使って業務が継続されました。特にお客様とのコミュニケーションでは、音声通話が大いに役立ちました。オフィスと同じ東京 03 で始まる番号で電話を受けることができたからです。震災直後もその後の在宅勤務においても、リアルタイム コミュニケーションの有効性が、改めて実証されたと感じています。

        

    Case 2: 迅速な意思決定が不可欠の緊急時、コミュニケーションツールの転換期を実感
    ゼネラルビジネス営業統括本部 業務執行役員 統括本部 反町浩一郎

    私は営業を統括するマネージャーの立場で、その日を迎えました。オフィスを移転したばかりで、慣れない場所での尋常ではない揺れに恐怖を感じたのを覚えています。「まずは部下 100 名の安否確認を!」と思い携帯電話で各所に連絡を試みましたが、まったくつながりませんでした。固定電話も同様です。そこで頼りになったのは、プレゼンス確認や IM、グループチャットが即座に可能な Lync でした。30 分足らずで 10 名の部下とコンタクトが取れ、数時間で部下全員の安否確認が取れたときは、コミュニケーション ツールの転換期が来たと実感しました。

    私のようなマネージャー職にとって、日々の私の仕事で最も大切なことは、部下との密なコミュニケーションを維持することです。組織の決定や目標、方針などを伝え、部下の仕事が円滑に進むよう調整し、情報をまとめて役員などに報告します。それを受け、組織が意思決定を行います。あの日、私に求められていた役割も同じでした。その意味では、あの日、IT でコミュニケーション手段が確保されていたことは非常に重要でした。もしも電話しかなかったら、時間ばかりかかって、迅速な意思決定はできなかったでしょう。

    予期せぬ事態に際しては、日ごろからの準備と、組織としての柔軟性が求められます。そこで IT が果たす役割は非常に重要です。今回、弊社で活躍した製品とサービスは事業継続のために開発したわけではありませんが、お客様にも自信を持ってご提案できるという思いを深めました。

    Case 3: 非常時にこそ、いつも使っているツールがいつも同じように使えること
    ゼネラルビジネス営業統括本部 ゼネラルビジネス第一営業本部第一営業グループ 振屋憲司

    その日、私は都内にあるお客様のオフィスで打ち合わせをしていました。突然の大きな揺れに、会議室が騒然としたことを覚えています。打ち合わせは中断となり、お客様と一緒に机の下にもぐり、身の安全を確保しました。揺れが落ち着いてからお客様先を失礼して、上司と連絡を取りました。携帯電話はまったくつながらなかったので、持参していた業務用の PC を使って IM で自分の状況を伝え、また今後の業務について指示を受けることができたときには、本当にほっとしました。

    翌営業日から始まった在宅勤務では、整ったリモート アクセス環境のおかげで仕事に大きな影響はありませんでした。たとえば Web 会議システムを使って、自宅にいてもお互いの顔を見ながら通常と変わらないコミュニケーションが取れました。相手の表情がわかるので震災直後の不安な時期にもチームのつながりを感じられました。また、Direct Access で社内ネットワークに接続し、業務アプリケーションを起動し申請中の稟議書を確認するなど、社内にいるときと同じように仕事を進めることができました。

    ただ、改めて考えてみますと、非常時だからといって特別なツールを使ったわけではありません。営業先に PC を持参する機会の多い私にとっては日常と変わらない状態でした。セキュリティの面では日ごろから情報管理に関するユーザー研修を受けていましたし、システムとしてもリモート アクセス環境が整備されているので PC を持参するのに不安を感じることはありませんでした。

    場所を問わないフレキシブルな働き方は生産性を向上させるだけでなく、非常時にも有効であるということを身をもって体験することができました。

          

    マイクロソフトが支援できる事業継続への取り組み

    企業システムの全体を見据え、必要な事業継続の施策を講じる

    今や、ビジネスに IT は欠かせないものとなりました。したがって、BCP においてもそれだけ IT サービスの継続性が重要になるということは、前述したとおりです。しかし、ある特定のシステムだけ事業継続の対策を取っていても、一部のシステムが対策から漏れていると、その効果を期待することはできません。

    自社のビジネスとシステム全体を見据え、最適な対策を講じる必要があります。マイクロソフトは、緊急時でも IT システム全体の継続性を支えるために、さまざまな製品やサービスを提供しています。

    下の図は、一般的な企業の IT システムの全体像です。

     

    緑色はエンドユーザーが業務を遂行するためのハードウェアやソフトウェア、青色はシステム担当者が管理しているサーバーや PC など、企業のビジネスを支えるための IT 基盤を示しています。BCP を検討するうえでは、この 2 つのカテゴリに分けて考えるのが一般的です。次のページから、それぞれの施策をご紹介します。

          

    緊急時にも変わらないコミュニケーション & 仕事環境を

    BCP には情報共有基盤の整備とリモート アクセス環境の構築が不可欠

    今回の震災では、地震直後、東日本において携帯電話と固定電話が通じにくくなり、多くの企業で従業員の安否を十分に確認できない状態になりました。また、その後の余震と交通網の混乱により、自宅待機を余儀なくされた企業も多数にのぼりました。

    こうした経験からもわかるように、予期せぬ事態が発生したとき、企業の事業を継続するうえで重要な課題として、「連絡手段の確保」「業務遂行手段の多様化」「社外への PC 持ち出しと情報漏えいリスクの最小化」が挙げられます。

    この 3 つの課題は、ビジネスの現場を支える 1 人ひとりの従業員が、いつ、どこにいて��コミュニケーションでき、必要な情報をやり取りして仕事を継続できる環境を構築することにより、解決できます。それは IT によって実現することができ、次の 3 つの施策を行う必要があります。

    • 多様なコミュニケーション ツールの整備
    • 情報共有基盤のクラウド化
    • リモート アクセス環境の整備

    具体的な製品としては、マイクロソフトが提供する Microsoft Exchange Server や Microsoft SharePoint Server、Microsoft Office などのビジネス生産性を確保する製品と Windows 7 Enterprise です。では、その具体的な機能をご説明します。

        

    緊急時にコミュニケーションの即時性と多様性を確保し、在宅勤務も実現


    今回の震災を通じて、予期せぬ事態に際して非常に有効であったのが Microsoft Lync Server 2010 です。相手のスケジュールや在席情報などを確認できる機能は、安否を確認する手段の 1 つになります。IP 電話の発着信、インスタント メッセージ、Web 会議など、さまざまな形態のコミュニケーション手法を利用することができるので、連絡手段を確保できます。

    震災後の在宅勤務では、Web 会議やグループ チャット機能を利用することで、時間と場所を選ばず、普段と同じように、資料を共有し相手の表情や声を共有しながら、会議を行うことができます。また、録画機能により参加できなかったメンバーも後から内容を確認することができます。さらに、Microsoft Lync Online を利用すれば、社内システムを一から構築することなく、すぐに導入することができます。(ただし、外線発着信の場合は Microsoft Lync Server を導入していただく必要があります。)

        

    どこにいても社内と同じ仕事環境を提供

    ドキュメント共有では Microsoft Office 365 の Microsoft SharePoint Online が有効です。ドキュメントの電子化、文書管理や各種申請手続きのシステム化も実現できます。ペーパーレスを促進し、捺印などを伴う書面の申請手続きをワークフローに乗せることで、インターネット接続さえあれば、会社にいなくてもドキュメント共有ができ、社内と同じ環境で仕事をすることができます。なお、Office 365 からは、Microsoft Office Web Apps を始めとする Web ブラウザー対応が強化されており、メール、在席情報、Office 文書の表示/閲覧など、今まで以上にクライアント環境を選ばずにスマートフォンや PC などで利用することが可能です。

    いつでもどこからでも、社内と同じレベルのコミュニケーション環境、仕事環境を提供するサービスが Office 365 です。ここまでに紹介した Lync、SharePoint Online、Office Web Apps も、すべて Office 365 のサービスに含まれています。

         

    社外から社内システムへの安全なアクセスを可能にする Direct Access

    緊急時に業務を継続するには、会計や財務、商品管理や顧客管理などの業務アプリケーションも必要です。しかし、震災時にオフィスにいられるとは限りません。そこで、外から社内ネットワークに安全にアクセスできるリモート アクセスのしくみが必要になります。

    Direct Access は、インターネットを介して企業のネットワーク資源に確実かつセキュアにアクセスできるしくみです。これは Windows Server 2008 R2 と Windows 7 Enterprise の組み合わせで構築できる機能です。標準で搭載されているため、新たなソフトウェアやハードウェアを追加する必要はありません。また、Windows 7 Enterprise にはハードディスク全体を暗号化する「BitLocker」と、USB メモリなどを暗号化する「BitLocker To Go」が搭載されており、万が一ハードディスクや USB メモリなどを紛失しても、データが暗号化されているため情報は漏えいしません。安心して社外に PC を持ち出せるので、どこでも仕事をすることができます。

     

    その他のテクノロジーについても以下の記事で解説しています。

  • 実機で試せる 「Lync 体験セミナー」 開催

    昨年 12 月にリリースしたユニファイド コミュニケーション製品 "Microsoft Lync" の価値を、実物に触れながら体験いただけるハンズオン セミナーを定期的に開催しています。

    お申し込みはこちら >>> http://lync.microsoft.com/ja-jp/Events/Pages/events.aspx

    昨年より既に数十回開催しておりますが、多数のお客様より、「実際に触ってみて Lync の本当の価値が理解できた」  「トライアル展開を検討するにあたっての評価ができた」 などの評価をいただいています。毎回席数 8 名と小規模でインタラクティブに実施しておりますので、疑問に感じられたこともその場で解決いただけます。ぜひこの機会にご利用ください。

  • 新時代のビジネス プロダクティビティ

    このたび “ビジネスプロダクティビティ製品チーム” によるブログをはじめることにしました。Microsoft Office および関連製品群の総称を “ビジネスプロダクティビティ製品” と呼んでいるのですが、これらの製品事業を統括する部門 “Office ビジネス本部” のプロダクトマネージャー達が、製品に関わる最新ニュース、コンセプトや市場動向、Tips などを投稿していきます。必ずしも毎回話がつながっているとは限らず、またトーンも粒度もたぶんばらばらになると思いますがご容赦ください。

    Office 関連製品群では、デスクトップやスマートフォン、サーバー、サービスと様々な形態で生産性向上のためのITをご提供しています。Microsoft Office スイート、すなわち Word や Excel、PowerPoint、Outlook などに代表される情報活用のためのフロンドエンド ツールは皆様いずれかお使いいただいていると思いますが、最近ではこれらの製品のブラウザー版やスマートフォン版が登場し、さらに幅広いシーンでご利用いただけるようになりました。Exchange や SharePoint、Lync といったサーバー製品は、最新技術をどんどん取り入れ、情報活用基盤およびアプリケーション開発基盤として、フロントエンドの生産性の向上と人や情報のつながりの強化を実現しています。そして先月、これらの製品群をクラウド サービスとしてご利用いただける Office 365 が登場し、展開の選択肢の幅もまた広がりました。私どもプロダクトマネージャーは、日本で今起こりつつある大きな変化に対応するワークスタイル実現のために、これらのテクノロジーをどう活用いただきたいかをご提案する役目を担っています。

    プロダクティビティを高めるには

    日本の 「ホワイトカラーの労働生産性」 が先進国の中で低いレベルにあると、長らく、随所で言われています。生産性を評価するためには、アウトプット÷インプットの式に様々な要素を当てはめていくわけですが、インプット側は労働投入量そのものですから、少ない労働投入量で多くのアウトプットを出せばいいということです。労働投入量の測定は難しいですが、単純化のため労働の質の代理変数を給料とすれば、同じ給料の人なら短い時間で同じアウトプットを出せる人のほうが、生産性が高いと言えます。アウトプット側は、一定の労働投入量に対しより高い成果が出るということですから、イノベーションやビジネス モデル、ビジネス プロセスの改善によりもたらされます。

    もちろんアウトプットの拡大は、企業や組織として長期的に目指すべき方向性ですが、一朝一夕に革新できるものではなく、中長期にわたる戦略的な展開が必要です。一方インプットに直結する 「ワークスタイル」 の見直しによる改善は、比較的手軽に、また確実に実現できます。世界に冠たる日本の製造プロセスでは日々行われてきたことです。ホワイトカラーのワークスタイルにおいても、できないわけがありません。今までは、悪影響がすぐに目に見えて現れなかったため、なかなか本気になれなかっただけです。

    ワークスタイルは今度こそ変わる

    しかし、東日���大震災以来、多くのお客様から、ワークスタイル改善に関するお問い合わせをいただくようになりました。私の担当するLyncでも、毎週大手町テクノロジーセンターで実施しているLync体験セミナーに、毎回多くのお客様にご来場いただいています。また、品川本社のショールームでも、複数のテレビ番組からの取材を受けています。弊社でもテレワーク (在宅勤務) やフリーアドレス (固定席の撤廃)、エンタープライズ ボイス (PBX と固定電話の撤廃) などを導入していますが、担当営業経由で見学を希望されるお客様が毎日のようにいらっしゃいます。日本マイクロソフトの社員は、震災翌週の月曜日からそのまま一週間、原則在宅勤務となったのですが、電話でのコミュニケーションも含めほとんどすべての業務を一切止めることがありませんでした。社員のだれもが持つこの経験が、お客様に伝わり、関心を引き起こしているのでしょう。弊社は危機対策のためにこのようなワークスタイルを選択したわけではありませんが、働き方の柔軟性を確保するために、どこにいても最高の生産性を発揮できる IT インフラを整備し、常日頃使っていたことが、危機発生時とその後の対応に大きな効果を発揮しました。

    今までも、パンデミックなどの危機対応や、働く女性のサポートを中心とした働き方の柔軟性などを理由としたワークスタイル改善が、長く語られてきました。しかし残念ながら、あまり変われませんでした。変わることにより失うかもしれないと思い込んでいるものが、一時的な危機、おそらく自分ではない対象への対応に、二の足を踏ませていたのでしょう。でも、さすがに今回は違いそうです。地震への恐怖は近いうちに忘れられてしまうかもしれません。しかし電力の不足は、あと何年かは続くと思われます。原発事故への恐怖は今もなおのしかかり、再生可能エネルギーへの転換の一歩を踏み出すことになるかもしれませんし、人口減とマイナス成長を受け入れた新しい社会の在り方を模索することになるのかもしれません。いずれにせよ、高度成長時代の記憶を残す現在のワークスタイルは、変わらざるを得ないのです。

    このあたりの話はまた機会を改めて、プロダクティビティ分野のソリューションや、弊社でのワークスタイルの話など交えながらご紹介してまいります。